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カルが訪問して数日経った

ゼル

時間をかけじっくり考えたけど

ゼル

やはりあいつの仲間になるのが1番のようだ

ゼル

デメリットというデメリットが見当たらない

ゼル

むしろ楽になるかもしれない

ゼル

自分が生きるためにあれこれ考えて生きてきたが

ゼル

誰かの指示の下ならこちらもそれをこなすだけで済むのだから

ゼル

まぁ自分で行動した方が楽な場面もあるだろうけども

ゼル

俺一人の負担は減るはずだ

ゼル

カルのいる屋敷に行こう

〜カルの館〜

少年

おいお前!

ゼル

少年

この先はカルさんの館だ

少年

お前のようなやつが何用だ?

ゼル

カル本人から来いと言われた

少年

俺らの仲間じゃないのに?

少年

お前怪しいな

ゼル

怪しいなら本人に伝えてくれよ

ゼル

それまでここで大人しく待つから

少年

確認を取るほどカルさんは暇じゃない

少年

それにそもそもお前のようなやつが呼ばれるわけがないんだ

少年

カチコミとか考えてるなら帰りな

ゼル

普通にカルに用があるから帰らねぇよ

少年

では力ずくでもお引き取り願う!

門番と思わしきその少年は手に持っていた鉄パイプを使い殴りかかってくる

ゼル

あぶねぇだろ!

それを避けるなどせず殴られる前に蹴りを入れて攻撃を阻止する

少年

うぐぁ!?

ゼル

こちとらただの客人なんだけどな…

少年

て、てめぇ!

ゼル

起き上がったなら本人に連絡を入れろ

少年

うるせぇ!

蹴られたということに怒りを覚えその少年は勝てぬ闘いに船を漕ぎ出す

鉄パイプをとにかく振り回す

しかしそれら全て当たるはずもなくゼルはすんなり避けてその少年に打撃を与える

少年

ガハッ…

ゼル

もうやめようや

ゼル

お前が俺に勝てるわけがないんだ

少年

う、うるせ……

カル

カル

さっきからなんの騒ぎだ!

少年

か、カルさん…

カル

どうした!?

少年

あ、あいつが……

カル

あいつ?

ゼル

よぉ?

ゼル

随分手荒い歓迎食らってるぜ

カル

ゼルか!

少年

お、お知り合いで?

カル

あぁ

カル

だが何故すんなり通さなかった?

ゼル

俺が怪しいから通せないとさ

ゼル

んで俺はカル本人に俺の名前を伝えればいいって話したんだが

ゼル

どうやら言葉が分からなかったようでな

カル

それは悪いことをしたな

カル

今後教育していく課題になった

ゼル

んじゃさっさと通らせてもらうぞ

カル

客間はボロボロだから俺の部屋に案内しよう

ゼル

助かる

カル

ここに来たということは例の件だな?

ゼル

そうだ

ゼル

結論としてまず入らせてもらう

カル

それは良かった!

カル

ゼルが来てくれたのなら俺らの組織もようやく安定する

ゼル

どういうことだ?

カル

この人数を俺一人でまとめあげていたんだ

カル

さすがに限界でな

カル

それで俺の信頼している数名を教育して指揮の取り方を教えたいんだが

カル

それと平行で全体に指示も出すとなると負担が大きくてな

ゼル

つまるところ俺はそのかわりを務めろと?

カル

そーいうことだ

ゼル

あいにくだが俺も指揮を取れるかどうか…

カル

俺の仲間たちよりは優秀だろ?

ゼル

まぁ…分からないが

カル

とはいえ新参者が指揮を執るとなると不満が溢れ出す

カル

そこでみなの信頼を得て欲しい

ゼル

どうやって?

カル

俺の決めたルールのひとつに勝った方が正義というものがある

カル

強者に従うのが組織というものだ

ゼル

なるほど

ゼル

片っ端から喧嘩して勝てばいいんだな?

カル

それをやるようの場も作ってやる

ゼル

俺のプランではもっと楽できると思ってたが

カル

そうはいかないかな?

ゼル

つっても取り消しとかはしねぇよ

ゼル

請け負ったからには俺なりに全力出してやらせてもらう

カル

頼もしい限りだ

カル

では早速仲間たちに報告をするためロビーに集まってくれ

ゼル

了解

エントランス

カル

お前ら突然集めて済まない

カル

今日新たに仲間になったやつを紹介したい

ゼル

カルに誘われ入ったよろしく

カル

賛否はあるだろうがコイツには俺の代わりを務めてもらうことがある

カル

気に食わないやつは正直に手を上げろ

カル

手をあげたやつは近いうちにコイツとやり合う機会をやろう

カル

だが、負けた時点でコイツが上になることに関しては文句の言い様はなしだ

ゼル

カルの代わりを務めるがまだ至らぬ点はあるだろう

ゼル

そこは教えてくれると俺も助かる

ゼル

もちろん俺自身も早くカルの業務を覚える気でいる

カル

では各自解散

その後俺の部屋を用意してくれそこに住むことになった

ゼル

雨風しのげるのはいいもんだな

ゼル

少し横になりたいところだが…

少年

少年

おい!

ゼル

まぁそうよな

少年

お前調子に乗るなよ?

ゼル

特に乗ってないが?

少年

カルさんの代わりだからってでかい顔すんじゃねぇぞ

ゼル

それもしてないかな

ゼル

なんだ?

ゼル

俺が仮とはいえトップに立つのは不満か?

少年

当たり前だ

ゼル

よし!

ゼル

それなら少し喧嘩でもしようか

ゼル

さっきのエントランスで待つ

少年

上等だ

ゼル

喧嘩に武器はなしだぜ?

ゼル

新参者とはいえ今日から仲間だからな

ゼル

仲間に刃物はアウトだろ?

少年

武器なんかなくてもボコせるわ

ゼル

俺が負ける景色を楽しみにしてる

〜エントランス〜

おい!いきなりゼルに喧嘩売ったヤツがいるらしいぞ!

しかもエントランスでやり合うって!

あいつの実力見ものだな

負けたらみんなして笑ってやろうぜ!

ゼル

(低俗な奴らだな…)

ゼル

(こいつらをまとめてたと思うとカルのやつに同情する)

カル

おいゼル!

ゼル

ん?

カル

まだその時期じゃねぇだろ!

ゼル

余興として、な?

カル

はぁ……

ゼル

お前も嫌だろ?

ゼル

お前自らが選んだのに反対されるのは

ゼル

どーも信用されてないみたいじゃないか?

カル

そこまでは思ってないが…

ゼル

サクッと終わらせてあんたのとこに戻る

カル

仕方ないやつだ…

カル

俺も見ていてやる

カル

無様に負けたら俺も笑ってやろう

ゼル

それじゃあ期待してろ

ゼル

俺が負ける方にな

ゼル

それを覆す瞬間も楽しみにしとくといい

少年

秒で消し飛ばしてやる!

ゼル

先行はくれてやる

ゼル

来いよ…三流

少年

新入りがァァ!!

少年の拳に勢いはそれほど乗っておらず殴られてもそれほどのダメージは貰わなそうなものであった

ゼル

(拳にキレがないな)

ゼル

(俺もあるとは言えないがこいつなんかよりはあるな)

ゼル

(そしてフットワークも少し緩みが見える)

ゼル

(あの足取りでは…)

少年

ウラァ!

ゼル

おっと…

ゼル

(やはり踏み込みに力が入ってないな)

少年

どうしたぁ!?

少年

殴ってこないのかぁ!!?

避けてばっかりかよあいつ

大したことないんじゃね?

カル

分析してる最中だな

カル

あと少しで終わるなこの喧嘩

少年

これでどうだァァ!!

ゼル

(殴りとケリのコンボか…)

ゼル

(だがケリは強い分隙だらけになる)

あいつ拳を全部避けた挙句に…

カル

蹴った足をつかみ支えてる足のバランスを崩したか

少年

うわぁぁ!?

ゼル

残念だったな

ゼル

俺はまだ何も攻撃してないぞ?

少年

て、てめぇぇ!!

カル

無鉄砲に行くだけ無駄だな

ゼル

もうお前じゃ相手にならないわ

隙だらけの腹部に一撃入れその後顎を掠めるように殴る

少年

うげぇぇ…

ゼル

頭がよく揺れるだろ?

ゼル

気分も悪そうだし治してやるよ

ゼル

ついでに殴るっていうものの手本もな

しっかりと構えて素早く腕を伸ばす

力はそこに必要なく遠心力のみを利用した攻撃方法

ゼル

力まなくとも最初に腕を振るそれだけに力を使えばいい

少年

ぐはっ……

ゼル

あとはこれでおしまいだな

相手の顔面をがっしり掴み足払いをしてそのまま地面に叩きつける

少年

や、やめ……

ゼル

うぉらぁ!

しかしそれをあえて寸前で止める

ゼル

俺の勝ちでいいな?

少年

あ、あ……あ

カル

やり過ぎだバーカ

ゼル

見せつけとかないとさ

お気の毒ですが魔王は勇者になりました

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