この作品はいかがでしたか?
401
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蒼汰
蒼汰
少し大きめの独り言が、
家の中で冷たく響いた.
そんな事を気にもせず、
玄関で靴を脱ぐ.
俺は一人暮らしをするのに
不自由がないほど
広い家に一人で住んでいる.
両親はいつの間にか
消えてしまった.
兄弟は…、
一人っ子だったはずだ.
お金は親戚にもらったり、
アルバイトをして
なんとかやりくりしている.
親戚に家族の事を聞いてみたが、
教えてくれる人は誰もいなかった.
親がいれば
こんな辛い想いをしなくても
すんだのだろうか、
いない人を今更どうこうしようとは
思わない.
思ったとしても出来ない.
蒼汰
転校するとあの場で
言ってしまったものの、
これからどうするか…。
正直、
これからのことを
何一つ考えていない.
ただ、ゲームが出来れば
それでいい.
あ、そういえば
私立の入学届けがあったっけ?
そう思いながら俺の部屋へ行き、
棚に置いているはずの
私立の入学届けをさがす.
蒼汰
自信がなかったが、あって良かった.
猫(ショコラ)
蒼汰
蒼汰
黒い猫のショコラは
唯一の俺の家族.
歳はわからないが、
俺が物心ついた頃から
この家に住んでいたと思う.
蒼汰
蒼汰
入学届けとパンフレットを持ち、
リビングへと向かった.
その後をショコラが追う.
リビングにつくと
リビングの机の上に
入学届けとそのパンフレットを置き、
キッチンへ向かう.
蒼汰
いつの間にか
どこかへ消えた俺の家族.
料理を教えてもらった覚えが
全くない.
いや、あったんだっけ??
どっちか忘れたが、
俺が料理を始めて随分と時間が経つ.
そのおかげで少しなれ、
早く料理を作ることが
出来るようになった.
蒼汰
蒼汰
腕前はともかく
なんとか料理というものは出来る.
食べるのは
俺しかいないんだから
別に失敗したって構わない.
机の下にキャットフードを置き、
机の上には
少し焦げたオムライスを置く.
蒼汰
猫(ショコラ)
片手にパンフレットを持ち、
オムライスを食べながら見る.
蒼汰
蒼汰
蒼汰
パンフレットの表紙には
作り笑顔をした男女の生徒が
載っている.
どこか遠くを見ているような
濁った瞳.
それが哀しく見えるのは
俺だけなのだろうか?
蒼汰
蒼汰
そう呟いて、
パンフレットを クシャクシャに丸めた.
それから俺は
退学届けを出したり
入学の手続きをしたりと忙しかった.
突然の退学で
俺のいたクラスの生徒はもちろん、
担任の先生も驚いていた.
驚いて当然か…。
俺だって、
もし海が突然退学したら
驚くだろうしな.
そして私立の高校に行くためには
色々とお金がかかってしまう.
だからこの期間は
アルバイトを増やして、
一生懸命に働いた.
嫌になるが、きっと沢山お金を
使う日がくるだろうと思って…。
店長
店長
アルバイト先の店長が
自慢のヒゲを触りながら
ニコニコしている.
蒼汰
蒼汰
蒼汰
店長
店長
店長
そう言って
俺の肩をポンと優しく叩いた.
期待されることは
嫌いではないが、
残念ながらあと少しの付き合いだ.
お金が貯まったら、
俺は何ヵ所かアルバイトを辞める.
そして孤独になった俺は、
たった独りで新しい学校へ行く.
あのクシャクシャの
パンフレットを持って…。
❤️きたら続き出します!!🥀 読んでくれて ありがとです!!🙇 ぜひ他のも 見てみてください!!😊 この④は書き忘れたんですけど 【第2章】家. です!!🥀
コメント
3件
いえいえ、ありがとうございます✨
@かなちん、めろんさん すいません!!🙇 作品書くことばかりで 見てませんでした!!💦 します!!🥀😁🙌
フォロバ、、、100%?