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私には、嫌いな人が二人いた。

イギリス

一人はこの国の軍総統の大英兄さまと、

イギリス

もう一人は私の身の回りの世話係のインドさんだ。

大英帝国

…イギリス。

大英帝国

乱雑に食器を扱うな。
それにどうした?その体勢は。

大英帝国

マナーに気をつけろ、と
日頃から言っているだろう

…またこれだ。 兄さまは食事のルールにかなり厳しい。

大英帝国

インド、イギリスに今日は作法を教えて
やってくれ。ついでに物理学と言語学と世界史も頼む。

インド

…………かしこまりましたご主人。

インドは兄さまの植民地。 それ故に従わされているらしい。

いつも無表情で兄さまと話すし、 「ご主人」に様はつけない。 そこに小さな抵抗を感じる。

大英帝国

そして兄さまは出掛ける前に 必ず私を玄関へ呼び、

大英帝国

……行ってきます

ひとしきり私の顔を睨みつけてから行くのだ。

インド

…はぁ。

インド

ようやく行きやがったな、…全く。

インド

どうしてオレがガキの世話なんざしなきゃ
なんねぇんだか…

兄さまが出掛けた途端すぐこれだ。 口が悪いにもほどがある。

インド

あっ、てめ、
バタバタ歩いて床を汚すんじゃねぇ。

インド

誰が毎日掃除機をかけた床だと思ってんだ?

イギリス

…はい、すみませんインドさん…

インド

ちなみに『済みません』は目上の人に
使う言葉じゃねぇ。言うなら『申し訳ございません』だ。

インド

もっとも、大英帝国サマの弟君より
オレの方が目下だがな。
…はは。

小言が多い。 口数だけなら兄の数百倍は優れているだろう。

インド

さーてと、今日もこのガキをしっかり
『指導』してやるとしますかね…

インドのこういう、辛口なところが嫌いだ。

大英帝国

…今日も超ッッッッッ絶可愛かった…
私の弟………!!

防衛線の見回り中、つまり仕事中に 大英帝国は言った。

ニュージーランド

領主、それ毎日言ってますね

フィジー

聞き飽きすぎてどうでも良くなってきました

植民地のニュージーランドたちは 呆れ気味に言った。

大英帝国

お前は生で見たことは無いだろうが、
本当に可愛いんだよ!

大英帝国

はァァァ~~~…
一度でいいからあの子をデロデロに甘やかしたい……

オーストラリア

ドン引きです…

フィジー

ほんそれ

大英帝国

お前ら支配下のクセして
私を舐め過ぎじゃないか…?

ツバル

ハイハーイ!
じゃあ領主の弟って、どうやって生まれたんですかー?

ニュージーランド

ツバルのバカ、それを聞いたらこの人は…!

大英帝国

よくぞ聞いてくれたなツバル!
お望み通り聞かせてしんぜよう!

ニュージーランド

……ノリノリで、話し始めるんですよ…長々とね。

話は父様が戦場から帰ってきた日へ遡る…

大英帝国

かッ…………んんっ!!!!

『可愛い』と言おうとしたところをぐっとこらえ、 父様の前で平静を保とうとする私。

勝って帰ったぞ、息子よ。

これは私が拾い帰ってきた領地だ。
こいつを弟として、宜しく頼む。

幼いながらにきりりとした表情、 大きくぱっちりとした二重目、 守ってあげたくなる細く小さな体つき などを持ち合わせた弟。(大英:談)

大英帝国

(どタイプ…!!正直この子と暮らせるとなると何でも尽くしてあげたく
なるだろう…しかし甘やかされて育った子は駄目になるという…うぅ…!!)

イギリス

あ、あの!
にいさま…!はろー…です!

ぎこちなくともしっかりとした挨拶。 私はとうとう耐えきれなくなり、

イギリス

!?

大英帝国

甘やか…さないからな…!

弟の方をがっと掴んで、 半ば自分に言い聞かせるように言った。

イギリス

にいさま…い…いたいよ……
睨まないで……

大英帝国

それからというもの私は、
その天使をなるべく甘やかさないよう、
気を引き締めてきたのだ…

オーストラリア

わ~、見てください
歩いている間にいつの間に川の方へ出ましたよ~

ニュージーランド

領主の話に付き合うには少々、
オーストラリアのようなスルースキルが試されますね…

ツバル

ふーん、結局弟さんは、拾い子だった訳ですか。

ツバル

……へぇ

こうして大英一行は、今日も仕事を終わらせたのであった。

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コメント

4

ユーザー

大英帝国さんがこんな性格してるタイプのお話大好き過ぎます…💕

ユーザー

イギリスのこと大好きな大英帝国好きすぎる

ユーザー

拾ってきた領地という パワーワード

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