遼太
ごめん、今夜も遅くなる。
だから、先に寝といていいよ。
美沙希
了解。ご飯はどうする?
遼太
いいよ。食って帰るから。
美沙希
気を付けてね。
遼太
わかった。
真由
奥さん?
遼太
真由には関係ないよ。
真由
ホントにマメだよね。
遼太
真由との関係がバレると、まずいだろ?
真由
私は別に構わないけど。
遼太
なんで?
真由
遼ちゃんが奥さんと別れたら、私が堂々と慰めてあげられるじゃない。
遼太
そう、簡単にはいかないよ。
遼太
俺には真由が必要なんだ
遼太は真由の顎をくいっとあげると、自分の唇を重ねあわせる
美沙希
おはよう。何時に帰ってきたの?
遼太
えっと…1時…くらいだったかな?
美沙希
そうなの?頑張ってたわね。ごめんね、先にねちゃってて、気付かなかった。
遼太
しょうがないよ。
遼太
あ、そうだ。今週末からまた出張が入った。
美沙希
そうなんだ。今度はどこ?
遼太
大阪。月曜には帰れるから、夜、どこかに食べに行こうよ。
美沙希
え?どうしたの、急に。
遼太
結婚記念日に食事に誘って、何が悪い?
美沙希
覚えててくれたの!?ありがとう!!
遼太
忘れるわけないだろ、俺たちの大切な記念日を。
美沙希
最近、遼太、帰り遅いし、出張とかちょくちょく行ってて、忙しいみたいだし、忘れてるんだろうなって思ってた。
遼太
美沙希がそばに居てくれるから、俺は安心して仕事に集中できるんだよ。
遼太
いつも、ありがとうな。
美沙希
遼太、大好き!
遼太
俺もだよ、美沙希。
遼太
じゃ、行ってくる。
美沙希
気を付けてね。
遼太
駅まで。
遼太
今、家を出たよ。
菜々子
私も今、家を出ました。
遼太
早く会いたい。
菜々子
私もです。
遼太
菜々ちゃんの白い肌に顔を埋めたい。
菜々子
佐山さんのエッチ。
遼太
菜々ちゃんとの初めての旅行だから、テンション上がっちゃった。
菜々子
佐山さんのそういうところがかわいいです。
遼太
『俺にとっては、不倫はゲームのようなものだ。』
遼太
『不倫相手を本気にさせたり、美沙希にばれたらアウト。』
遼太
『だから、自分が結婚していることは、隠してはいけない。』
遼太
『今のところ、美沙希にはばれていないようだ。』
遼太
『過去に一度、ばれてしまい修羅場となったことがあった。』
遼太
『相手がまずかった。』
遼太
『いつの間にか、本気にさせてしまっていた。』
遼太
『彼女は美沙希に電話をし、ばれてしまった。』
遼太
『それからは慎重に相手を選ぶようにした。』
遼太
『ほとぼりが冷めた頃に、真由を口説いた。』
遼太
『それから、菜々子。』
遼太
お待たせ。行こうか。
菜々子
佐山さん、私、こんなの初めて。
遼太
こんなのって?
菜々子
焦らされて、焦らされて、やっと会えて、抱き合うのなんて。
遼太
俺もだよ。この三週間は菜々ちゃんのことだけ考えてた。
菜々子
菜々子って、呼んでよ。いつまでちゃん付けなの。
遼太
…じゃ、菜々子も佐山さんじゃなくて、下の名前で呼んで。
菜々子
遼太…さん
遼太
菜々子、かわいい
菜々子の細く長い首筋にキスを数回すると、喘ぐ菜々子
遼太
おまたせ。
菜々子
遼太さん、奥さんには何て言ってるの?
遼太
大阪に出張って。
菜々子
そうなんだ。奥さん、全部分かってるみたいですよ。
遼太
なにを?
菜々子
嘘だって。
遼太
ん?なんで?
菜々子
だって、ほら。
菜々子は遼太のキャリーバッグから、コンドームを出す
遼太
!?
遼太
『今回も美沙希に完敗だ…』
たける
ホントに大丈夫?ご主人、突然帰って来たりしない?
美沙希
大丈夫よ。今頃、若い女と抱き合ってるんだろうから。
たける
女って怖いな。