さよなら僕たちの世界。

春。

私達は高校生になった。

クラス発表を見てうんざりとする。

肩までかかってる髪を後ろで束ねていて、顎の所にほくろがあって、運動が出来そうなかっこいい女の子が私を見ていた。

松尾さんは 愛想良くニコッと笑った。

嬉しい…。

星はニコッと笑った。

俺たち３人は幼馴染みだ。

どこへ行くときもずっと一緒。

離れるなんて考えもしなかった。

だから、高校も皆と同じ。

星は小３の時、事故にあったショックで声がでなかった。

でも、何か刺激的な事があれば

医者は声が出ると言った。

俺たちはずっと星が声が出るのを待ち続けている。

この時俺たちは、これまで以上に楽しいことなんてないと思っていた。

恋をするなんて 思ってもみなかった。

キーンコーンカーンコーン…。

先生は教室から出ていった。

松尾さんはくるりとこっちを向いて、ニコッと笑った。

刹那くんと砂川くんと如月くんがこっちに向かって歩いてきた。

松尾さんは 頭をなでなでしてくれた。

これは６人が織りなす物語。