飛ぶように家に帰り着き、家中を探し回ったら
莉子は自分の部屋で布団にくるまって震えていた。
愛菜
莉子
布団ごと莉子を抱きしめると、チワワのようにブルブル震えているのが肌を通して伝わってきた。
愛菜
愛菜
莉子
莉子は涙を名一杯目に溜めて、口を真一文字に結んだまま、何も言わない。
愛菜
莉子
しゃくり上げながらスマホの画面を見せてくる。
それを覗き込むと……
クラスメートの誰かが莉子のスマホで撮影したのだろうか。
近くにある商業施設の服屋で、陳列されているアクセサリーをポケットに忍び込ませる莉子の動画がスマホに残っていた。
愛菜
莉子
莉子
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
莉子
店員
店員
店員
店員
莉子
莉子
愛菜
店員
愛菜
店員さんは娘に聞こえないような小さな声で、そう漏らした。
店員
店員
愛菜
莉子
莉子
先ほどからの憔悴した様子を、さらに上回る動揺を見せながらスマホをこちらに向けた。
タカコ
タカコ
タカコ
タカコ
タカコ
タカコ
ブオオォォォン!!!
自動車がものすごい勢いでこちらに迫ってきた。
店員
愛菜
二人をなんとか歩道側に突き飛ばす。
ゴッ
自動車はそれを予測していたかのように、歩道側に急ハンドルを切って進み、手前の電柱に当たって止まった。
店員
莉子
店員
ドライバー
ドライバー
ドライバー
ドライバー
運転席から青ざめた顔をして降りてきたドライバーは、私たちを保護しないままどこかへ逃げて行った。
愛菜
愛菜
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