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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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飛ぶように家に帰り着き、家中を探し回ったら

莉子は自分の部屋で布団にくるまって震えていた。

愛菜

莉子!!!

莉子

ママ……

布団ごと莉子を抱きしめると、チワワのようにブルブル震えているのが肌を通して伝わってきた。

愛菜

大丈夫、大丈夫だから……

愛菜

莉子は何も、悪いことなんてしてないもんね?

莉子

……

莉子は涙を名一杯目に溜めて、口を真一文字に結んだまま、何も言わない。

愛菜

莉子?

莉子

だって、しないとハブだって

しゃくり上げながらスマホの画面を見せてくる。

それを覗き込むと……

クラスメートの誰かが莉子のスマホで撮影したのだろうか。

近くにある商業施設の服屋で、陳列されているアクセサリーをポケットに忍び込ませる莉子の動画がスマホに残っていた。

愛菜

あんた、これ万引き……!!!

莉子

……う、うわあぁぁぁん!!!

莉子

ごめん、ごめんなさい!

愛菜

……

愛菜

叱ったところでやった事は無かった事にならない、謝りに行くよ

愛菜

本当に申し訳ありません!

愛菜

お詫びしようもない事ですけれど、出来る限り謝らせてください!

愛菜

ほら、あんたも!

莉子

すみませんでした、ぐすっ……

店員

……頭を上げてください

店員

やった事は無かったことにできませんが、こうして謝ってくれた事は感謝します

店員

一緒に警察に行っていただけますね?

店員

スマホを撮った友だちの話も警察でしていただきます

莉子

……はい……

莉子

……

愛菜

大丈夫だから、ママもついてるからね

店員

……ついていたはずのママがいながらどうしてこうなったのか……

愛菜

……!!

店員さんは娘に聞こえないような小さな声で、そう漏らした。

店員

すみません、近隣校の生徒の万引きが続いてて、店舗の売上にも大打撃を受けてるので

店員

このくらいは許してください

愛菜

そ、そうですよね……

莉子

……ひっ!?

莉子

ママ、タカコさんから……!

先ほどからの憔悴した様子を、さらに上回る動揺を見せながらスマホをこちらに向けた。

タカコ

許さない

タカコ

許さない許さない

タカコ

許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない

タカコ

秘密を告白すれば逃げられると思ったんですか?

タカコ

この私の制裁の邪魔をする事は許されません

タカコ

死ね

 ブオオォォォン!!!

自動車がものすごい勢いでこちらに迫ってきた。

店員

きゃあっ!?

愛菜

危ないっ!

二人をなんとか歩道側に突き飛ばす。

ゴッ

自動車はそれを予測していたかのように、歩道側に急ハンドルを切って進み、手前の電柱に当たって止まった。

店員

い、痛い……

莉子

店員さん、大丈夫ですか!?

店員

手を、捻ったみたい……

ドライバー

ドライバー

ぼ、ぼ、僕のせいじゃ無い

ドライバー

アクセルとかハンドルが勝手に!!

ドライバー

うわああぁぁ!!!

運転席から青ざめた顔をして降りてきたドライバーは、私たちを保護しないままどこかへ逃げて行った。

愛菜

(今の車、意志を持って莉子を轢き殺そうとしてるように見えた)

愛菜

(まさか「タカコさん」は、機械を操れるの…?)

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