大事なものを大事にできないのは、
人として致命的なんだってさ。
婆ちゃんが言ってた。
(父方だか母方だか忘れたけど)
ま、ババアの話は置いといて。
じゃあ僕って、割とやばくない?
だって今まさにそんな感じ。
湊
湊
気分がささくれ立っていた。 そんなこと言い訳でしかないけど。
顔を掴んで無理やり引き寄せて、
合わせた唇をこじ開けて、 乱暴に舌を這わせていく。
空気を求めて漏れる彼女の浅い喘ぎに、
ただの生理的な反応だって 分かってるのに、
興奮してる自分が、滑稽だった。
自虐しながらも、角度を変えて何度も繰り返す。
そのうちふと彼女と目が合った。
湊
──君の目は、怖い。
考えが読み取れない、
深くて昏くて、夜の海みたいだな。
僕の目には君の心は見えないのに。
深い海の底からでも君は、
僕の中まで全部見えていそう。
湊
玲奈
湊
湊
長い時間をかけた割に、 終わりはあっさりとしたもので。
形ばかりくっついてた身体を ゆるゆると離すと、
彼女は肩を揺らして大きく呼吸した。
湊
玲奈
湊
玲奈
玲奈
湊
何気なく冗談交じりに尋ねたら、
玲奈
玲奈
予想外に鋭い返事が返されて、
思わずまじまじと見つめてしまう。
飾り気なくて、どっちかいうと地味で、
遊んでそうには見えない君が、
湊
玲奈
そんなさ、
玲奈
まさかだよね。
玲奈
あ、そういう感じなんだ。
そっかそっか、なるほどね!
純情そうに見えて意外と、的な。
そういや、知能の高い子ほど…… いや何考えてるんだ僕は。
湊
湊
玲奈
湊
湊
玲奈
湊
玲奈
玲奈
湊
玲奈
玲奈
玲奈
湊
湊
いや、そんなことあるよ。
あるけど、あったとしても、
君に言われたくないんだよな。
これ以上僕のこと、
見透かして欲しく、
ないのになぁ。
湊
玲奈
湊
湊
湊
湊
玲奈
玲奈
湊
玲奈
湊
玲奈
玲奈
玲奈
玲奈
それこそ嘘だろ、って思うよ。
こっちは何もかも筒抜けの気分なのに。
湊
湊
湊
玲奈
玲奈
玲奈
玲奈
玲奈
玲奈
湊
湊
湊
湊
湊
湊
湊
玲奈
湊
湊
玲奈
湊
湊
玲奈
玲奈
玲奈
湊
湊
玲奈
湊
湊
玲奈
玲奈
湊
湊
湊
湊
玲奈
玲奈
玲奈
玲奈
湊
湊
玲奈
ソファに転がっている僕を玲奈が横目でちらりと牽制する。
玲奈
玲奈
それ、 「ちゃんと座りなさい」って 意味だよね。
湊
湊
でも僕にはそんな気はないんだよ。
だってさ、
玲奈
玲奈
湊
僕的にはもっと くっつきたいわけなので。
玲奈
玲奈
玲奈
湊
玲奈
湊
玲奈
湊
湊
湊
玲奈
玲奈
玲奈
湊
湊
玲奈
玲奈
玲奈
湊
湊
玲奈
玲奈
湊
「あっさり陥落する日」
終
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