執行人の憂鬱

ここは、とある拘置所

ここには死刑判決を受け死刑を待つだけの死刑囚がいる

面談できるのは死刑日が確定してから数回程度

特に面談しない人もいるが霧矢は自然とこの場所に来ていた

死に行くものが何を思い、何を語るのか 若い霧矢は興味があった

ドンドン！

ガチャ

霧矢は面談室に入る

霧矢は律の犯罪履歴を見る

妻、子供2人を殺害した後自宅に火をつけ逃走するが自らも炎に巻き込まれレスキュー隊に救助される 自身は罪を認めておらず物的証拠から立件

律が話す犯行時に遡る

そう言うと律は愛菜の頭を優しく撫でる

3人は食卓を囲む

その時だった

ふと、リビングのドアから一人の男性が

律がそっと手元を見ると その手には包丁が見える

そう言うと強盗は愛菜を包丁で刺した

強盗は無表情で愛菜を刺す 愛菜の動きが止まるまで…

アキは考えるまでもなく愛菜を庇おうと覆い被さる

襲いかかろうとする強盗

そう聞くと強盗はアキのお腹を刺す

なすすべもなくアキは刺される

律は強盗に向かっていく

血だらけの中強盗は律の体の自由を奪う

粘着テープで固定された律 身動きが出来ない そのまま強盗は返り血を洗いにシャワーへと向かう

必死の呼び掛けに反応しない2人

戻ってくる強盗

強盗はカバンから着替えをだし服を着替えた

そしてアキや愛菜の血を律にたっぷりと付け始める

血だらけになる律

強盗は律に包丁を持たせる

すぐさま投げるが強盗は何回も何回も律に包丁を持たせる

その持たせた包丁を持ち律の手を握りながら更に愛菜を滅多刺しにする

自分の娘をこれ以上傷つける訳には行かない…律は渋々包丁を手に持つ

強盗は玄関にある灯油を家の中に撒いた

そう言うと強盗はライターで火をつけた

瞬く間に燃え広がるリビング

そういうと強盗は家を去る そして火の手は瞬く間に…

粘着テープは火のおかげで直ぐに溶け跡形もなくなり 律は包丁を離し愛菜とアキを抱き抱える

5分位だろうか…消防車の音が聞こえる

その願いも虚しく律は大火傷を負い警察病院へ

霧矢は律の話をじっと聞く なぜなら死刑囚は時に死にたくないから嘘をつくからだ

面談の帰り霧矢は物思いに耽っていた

死刑執行家系もあり、この看守に言われるまでもなく様々な死刑を見てきた霧矢

次の日

ガチャ

律は考えながら話す

執行当日

目隠しをされ手を縛られている律

そう言うと看守は目隠しを取った

律が目隠しを取ると目の前にカレーライスが用意されていた

律は思わず泣き崩れる

そう促すが律は食べようとしない

淡々と準備する看守

そう言うと霧矢は手元のスイッチを押す

バキン！

首に巻いている縄が律を持ち上げボキッと音ともに律は吊るされる

10分程だろうか、痙攣し口から泡を吹く律 事切れたのか動かなくなった

そう言うと看守はカレーライスを片付け始める

数日後

時は面談に遡る

そう言うと霧矢はカレーライスの甘口を作り始めた