ねぇ
救われないお話ってさ
一体何なんだろう?って考えたことある?
そっか
まぁ普通は考えないもんね
そんな気分が沈む話
貴方は嫌いだもんね
でもね
世の中には
嘘でしょ!?って思うことを好む人だっているのよ?
私もそのなかの一人
人が死んで絶望を感じたり
とてつもない壁を前に諦める
そんな物語を面白い、楽しいって
そう思う、そう思えるんだ
そんな私が
どうやっても救われないなって
面白くないなって思う物語があるんだ
何だか分かる?
ブッブー
残念!
正解はね
『誰からも読まれない物語』でした!
え?
共感してくれるの?
ふふ、ありがとう
それでね
私はさ
どんな困難もはね除ける勇者のお話も
大切な人が死んでいき嘆く人のお話も
読まれなければ、どちらも変わらない物だと思うの
だってそうでしょ?
どんなに勇者の武勇伝を語られていても
どんなに悲劇を書き連ねていたとしても
誰からも認知されなければ
それはあって無いような物
自身の生を否定されるの
お前はいらない存在だって
必要無かったんだって
それは
余りにも
救われないじゃない!
ごめん
少し感情的になってた
ええっと
それでね
そんな確かにあるはずの物語を
私は
私の人生と同じように思えてきたの
確かに自信を持って歩んで来た道は
振り返ってみると足跡はなく
そこには壊れかけのレールがあるだけ
そんな光景を幻視するの
そしてそれは幻なんかじゃなくて
今ここに現実として存在しているんじゃないか、って
そんな気がしてならないの
あぁ
でもね
今は
私はそんなことを考えていないの
だって
今は貴方がいるから
私を想ってくれているから
私は胸をはって生きていける
けど
もし明日、貴方がいなくなってしまったら
私は狂ってしまう
またあの頃に戻ってしまう
そう言って少女は虚空を見つめて
だから
貴方は私とずっと一緒にいてね
大切で大好きな貴方
そう言った
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