私は有栖川夢叶愛。高3のガリ勉女子
私には分からないことがある
周りの人達がしている恋愛ってやつ
そして、周りの人達が言ってる愛ってものが
なんなのか、分からない
私は
愛だの恋だの
そんなもの
私にはないんだ
Aちゃん
夢叶愛ちゃん...?ちょっと...いい?
夢叶愛
...
だってまず、私は友達さえもいないんだから
Aちゃん
...目つき悪っ!
大体私に話しかけて来た人は私の目つきの悪さを知って逃げて行く。
人間なんて信じられる人間の神経が分からない
夢叶愛
...人間...
私は、もしかしたら他の人とは違うのかもしれない
いや、それ以前に人じゃないのかもしれない
私は
いらない命だったのかもしれない
夢叶愛
はぁ...
なんか、色々複雑だな
私の親は仲がとても悪い。
家に帰れば、取っ組み合いをしていることなんてよくあることだ
私は周りから見たら虐待、と言われることをされている
勝手な理由で殴られたり、蹴られたり、ご飯を貰えなかったり、服を買って貰えなかったり...
親からの愛情なんて、絶対じゃない
私は愛されてないし、大切にだってされてない
でも、別にそれが苦しいわけでも辛いわけでも嫌なわけでもない...と思う
夢叶愛
人間なんて...信じられるわけないじゃん...
???
なんでそんなこと言うの?
夢叶愛
っ!?誰!?
公園のベンチでため息をついていたら1人の男子に声をかけられた
どうせこいつも私の目つきの悪さを知ったら逃げるんだろうな
???
...目力強くて羨ましいなぁ。俺も目力もっと強くなりたいよ...
夢叶愛
...??
え?目力強くて羨ましい!?
そんなこと初めて言われたんだけど...
夢叶愛
怖くないの...?逃げないの?
???
なんで逃げるの?ってか、君は逃げられることがあるの?
夢叶愛
いや...逃げられることがあるっていうか、逃げられることしかないから。
???
何それ!ひどすぎるよ。目力強いことの何がダメなんだろう
私はわけが分からなかった
だけど彼が私の運命を変えてくれることになったのだった