現実に殺される前に

玄関

玄関の扉を開けると、お母さんの声が聞こえてきた。

あの口論以来、私とお母さんは気を遣いながら生活している。

ヒョコッ

そんなことお構いなく彼女は家に入って来た。

私が驚いていると、彼女は私に部屋の場所を聞くなり向かって行った。

自室

何だか彼女に笑われるのは癪に障ったが、とりあえず無視をした。

グイッ

トンッ

私は余計に彼女と距離を置きたくなった。

ずっと話が合わない彼女だが、私は一通り悩みを話すことにした。

もちろん、心を許した訳ではない。早く帰って貰いたいからだ。

彼女は少し俯くと、明るい表情になり私にある提案をしてきた。

私が言い返そうとすると、彼女は目を輝かせて私を見て来た。

私は彼女の圧に押され、思わず条件をのんでしまった。

何で夕食の時間を知っているのか疑問に思ったが、聞き流すことにした。

彼女が部屋から出て行く。

私は掻き乱れた心を落ち着かせようとその場にうずくまった。