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僕は、小さい頃、よくいじめられていた。主犯格は、アキラくん。

どうしていじめられるようになったのかは分からない。でも、気づいたらいつの間にか荷物持ちをさせられるようになり、いつの間にか、意味もなく殴られるようになった。

中学で転校することになり、ほっと安心したのを覚えている。

もう、彼に合わなくて済むんだ。。。。

でも、現実は、酷いもので高校に上がると彼は、僕の前に再び顔をあらわした。

目の前が真っ暗だった。

また、いじめられるかもしれない。

そんな恐怖と共に僕は、毎日学校に通っている。

唯一の救いは、僕と彼が別のクラスということだけだ。

イツキ

…………うぅ。

イツキ

………あれっ? ここ、どこ?

乱れた教室。机や椅子は、何かになぎ倒されたかのように散らばっていた。

窓は割れ、夜空に月が浮かぶ。

イツキ

えっと、あれっ、僕、どうしたんだっけ?

不審者が、出たというのは聞いた。でも、その後の記憶がぽっかり穴が空いたように思い出せない。

静まり返った周りを見渡しても人っ子ひとり見当たらない。何がどうなったんだろう?

ふらふらと僕は立ち上がると廊下を歩き始めた。

イツキ

誰かいますか?

返事など返ってこない。まぁ、当たり前か。こんな時間に誰かいるわけない。

すると廊下の端に人影が見えた。

イツキ

あっ、まだ、誰かいたんだ!

イツキ

あのっ!

声をかけようと足を走らせようと思った瞬間。何かが違うと、直感的に感じた。

その人影は、ふらふらと揺れ動き、一歩、二歩とゆっくり歩く。丸まった背は猫背というよりは、明らかにかがめている用にも見える。

イツキ

もしかして、不審者かも………

急いで近くの教室に入り、武器になりそうなものを探す。とりあえず、掃除用具の中からT字の箒を持った。

教室の端から不審者の動きを見据えた。

それは、放送室の扉を無秩序に叩いていた。ガンガンと音を響かせ、まるで、中に入れろと言っているようだった。

イツキ

落ち着け、落ち着け、深呼吸。

夜露の冷たい空気を肺へしっかりと送り込む。神経を集中させ、僕は、その不審者に向かって忍び足で近づいていく。

小学校を卒業後、僕は剣道を始めた。理由は、簡単だ。

弱い自分と決別するため。

ありがたいことに顧問や仲間に恵まれ、僕はメキメキと成果を上げることが出来た。高校に入り、現在4段を目指して修行の日々である。

イツキ

よし。

距離は、約30m。薄暗いけど、相手の動きははっきり見えてる。

折れ曲がった身体が薄気味悪い。

でも、今は僕しかいないのだから。僕がやらないといけないんだ!!

箒の柄をしっかり握り直す。呼吸を止め、腹部に力を込め、床を蹴った。

イツキ

やぁぁぁ!!!!

不審者の背中目掛けて箒を振り下ろした。胴着意外で人を打ちおろすのは始めてだった。鈍い感覚が箒を通して感じる。

不審者の身体は、床へと叩きつけられた。しかし、まだ、意識はある。気絶してくれ!と願いながら僕は、2度、3度と叩きのめす。それは、気持ちのいいものではとても無かった。

不審者

うぅ、あぁ、あっ

奇妙な声を上げている。早く!早く!気絶してくれ!そう願った時、手元が狂った。

脳天を打ってしまったのだ。

しまった!!と思った時、不審者は、動かなくなった。打ち所が、悪いかもしれない。脳しんとうを起こしたかも。

再び静まり返ったその場に僕は、ただたたずむことしかできなかった。

その時、放送室の扉がゆっくりと開いた。

リツ

だっ、誰?

人が、いたんだ。

イツキ

もう、大丈夫。不審者は、気絶したみたいだから………多分。

リツ

ひっ!

アオイ

とにかく入って!!

イツキ

えっ、わぁ!

僕は、女子生徒に言われるがまま放送室に無理やり入れられた。

イツキ

あっ、あのっ、もう大丈夫………

アオイ

バカ!! 何言ってんのよ!!あんなの一人倒しただけでいいわけないでしょ!!

イツキ

えっ?

リツ

もっと、いるの。たくさん。

イツキ

そっ、そんなに……??

不審者は、一人では無かったのか。

放送室には、女子生徒が二人だけだった。ネクタイの色がえんじ色からして3年生。僕は2年なので深緑。ちなみに1年は、紺色になる。

電気もつけず、月明かりの中、二人は部屋の隅にうずくまった。放送室の機材は、特に荒らされた様子もなく、普段となんら変わらない状況だ。

イツキ

あのっ、僕、記憶が曖昧で、不審者が来たしか覚えてないんです。

アオイ

あんた、一体どこにいたの?

イツキ

気がついたら教室で倒れてて。

アオイ

そう……、あの惨劇を見てないなら良かったわね。 私はアオイ。こっちは、リツ。

イツキ

僕はイツキです。

アオイ

あれは、ゾンビよ。

イツキ

はっ? いやいやいや、冗談ですよね?

リツ

本当

リツ

突然、あれが来て、それで、それで…………うぅ

アオイ

もういいよ、大丈夫。ここにいれば助けが来るから

リツは、静かにアオイの腕の中で泣いていた。現実の温度差についていけない。

イツキ

本当………なんですか?

アオイ

私だって信じたくない。でも、それ以外に説明つかないもの。あんた、見えて無かったかもしれないけど、あんたが、叩きのめしたの生徒だからね。

イツキ

えっ……?

せい………と???

アオイ

ってか、あんた! 服血だらけじゃん!あれの返り血でも浴びたの?大丈夫?

イツキ

えっ? うわっ! 本当だ! 何だこれ?!

彼女の言う通り、僕の上着は所々、赤く染まっていた。こんな服、着ていられるわけが無い。急いで上着だけ脱いだ。下は、流石に無理なのでそのままだが。

アオイ

とりあえず、朝までここ。それから次のこと考える。

イツキ

あのっ、電気つけないんですか?

アオイ

あいつらが来たら困るでしょ!

イツキ

はいっ、すいません。

イツキ

アオイさんたち以外の人は逃げれたんですか?

アオイ

分からない。でも、みんな喰われたと思う。

リツ

うぅ、うぅ、ナツミ……ナツミ………

イツキ

あのっ、ここにいつまでもいるのも危険だと思うんです。僕、剣道やってて、二人をお守りするくらいは、なんとか出来ると思います。

アオイ

…………本気?

イツキ

本気と書いてマジです。

アオイ

…………。

リツ

…………。

イツキ

すいません。柄にもない事言いました。もうしません。

そういうわけで、僕は二人の護衛になった。アオイさんが、廊下に備え付けられた刺股(さつまた)を持っていたため、箒よりは、マシになった。

静まり返る廊下、昇降口と思ったよりもスムーズに出ることが出来た。

校門までは、真っ直ぐだ。

靴に履き替え、僕は、周りに警戒しながら進む。校門までは、確かに真っ直ぐだが隠れるところが無いため、見つかったら最後だ。

イツキ

ここから、校門までいっきに走り抜けます。

アオイ

うん、分かった。

リツも静かに頷いた。

イツキ

僕の合図で行きましょう。リツさんとアオイさんは先に行ってください。僕は後から行きますから。

イツキ

3

イツキ

2

イツキ

1

イツキ

行って!!

二人が走り出した。

校門までは、100mはある。とにかく、走って、ゾンビが出たら僕がなぎ払う。実にシンプルな作戦。

80m

60m

50m

あと少し!

左から黒い影が見えた。

ゾンビだ!!

僕は、迷わずそっちへ向かって走った。赤く染まった制服を刺股でなぎ払う。ゾンビは、宙を舞って校舎へと叩きつけられた。

リツ

きゃぁ!!

イツキ

リツさん!!

彼女の方に向かって新たなゾンビが向かってきていた。すぐに、身体をひねり、リツさんへと向かう。身体が羽根のように軽い。なんだか、自分の身体では、無いみたいだ。

再びなぎ払う。ゾンビは2.3m吹っ飛んだ。

アオイ

リツ!!

リツ

大丈夫、ありがとう

イツキ

早く、走って!

校門まで30m

20m

アオイさんが、校門を抜けた!

パーーーン

乾いた音共にアオイが、倒れた。

イツキ

えっ?

リツ

アオイ?!!

リツもアオイ同様、校門を抜け、リツの倒れた身体を抱き上げた。

パーーーン

同じ乾いた音が、リツの脳天を貫いた。

イツキ

えっ? えっ?

倒れる二人を見ながら、僕はその場に足を止めた。

何が起きたのか分からなかった。ただ、二人が倒れた事しか認識出来なかった。

すると、目の前に軍服を着て、ガスマスクを装着したら人たちが、二人の横たわった身体を引きずり端へと寄せていく。

イツキ

えっ?

軍人

それ以上、前に出たら容赦なく撃つ!

イツキ

どっ、どういう事ですか?!

軍人

驚いたな、意識があるのか?

イツキ

何を言ってるんですか! 僕は人間です!

軍人

…………自分の顔を鏡で見てみろ。

そう言って、軍人は、部下から鏡を受け取ると僕へ向かって投げた。

ライトが少し照らされ、眩しいと思いながら僕は、鏡を覗き込んだ。

イツキ

えっ? これっ、僕?

そこには、血の気の引いた真っ青な肌に青白い瞳の僕がいた。

人間というよりは、完全に化け物だ。

イツキ

えっ、あのっ、これって………。

軍人

ここら一帯は、生物兵器による感染が確認されている。症状としては、死体となっても動き回り、人を喰い、感染者を増やしていく。さらに厄介な事に奴らの中には君のように3倍以上の身体能力を持つ者もいる。

軍人

今のところ、治療法は見つかっていない。さっきの二人も感染していないとは言えないため、安全のため、殺処分となった。

イツキ

………嘘だ

イツキ

うそだぁぁぁ!!!

軍人

これが現実だ。

校門前で、3度目の乾いた空薬莢(からやっきょう)の音が響いた。

頭に何かが突き刺さるのを感じる。

目の前が暗く

る。

あぁ、ベニさんに告白すれば良かったな………。

第3話に続く

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