この世界には。
START。
50××年。
この地球には、私と__だけになった。
地球の人類はクローン化され、 人間は数少なくなった。
ミドリ
静かに空を見上げる。
電灯の光が激しく火花を散らし、 消えた。
…金属の音が迫ってきていた。
ミドリ
ミドリ
何?
__
君は鋭いね
ミドリ
そうなのね?
__
まだ思い出せない?
ミドリ
ミドリ
えぇ。
私は記憶喪失…らしい。 そして、__の名前も知らない。
__
__
ねぇ,ミドリ
ミドリ
どうしたの?
__
僕も…
月に行くことにしたよ
月に行くことにしたよ
ミドリ
…!?
ミドリ
だめよ、あんな危険なところ…!!
__
仕方ないんだ。
__
…無線で呼び出しがあった
__の左手には、 金属でできた無線があった。
ミドリ
ミドリ
…そう
ミドリ
行ってきなさいよ…
__
月、という惑星には 今 戦いが起こっているらしい。
気がつくと私は、 __にすがり付いていた。
ミドリ
行かないで…よ…
微かに覚えてるの。 みんなが…真っ赤な血を流して倒れてるの。
__
__
…………。
__は私の手を振り払った。
__
…無理なんだ…!
ミドリ
ミドリ
…そう…
これ以上愛した人を失いたくない… 今度は私が失われる番だ…
私は地面にあった硝子の破片を喉に突き刺した。
__
__
_______!
__!
__!
さようなら 私の愛した人…
__
最期も…思い出せなかったか…
僕が君を愛した理由。
僕は前の生の時、 真っ赤に染まったあの子を見たから。