迅「よぉ!ちゃんと助っ人連れて来たよ」
部屋に入ると赤い服を着た人達……嵐山隊の面々がいた
嵐山隊……か
はぁ〜……………そういうことね
嵐山「初めまして!嵐山隊隊長の嵐山だ!君が迅の師範だな?」
『はい、嵐山さん。枯月朱南です。よろしくお願いします』
嵐山隊長はにこやかに挨拶してくれた
しかし
佐鳥「えっ、え!?朱南ちゃん!?なんでここにいるの!?」
……嵐山隊には佐鳥くんもいる
『……奇遇だね』
冷静を装って話しかける……が内心とても焦っている
だってボーダーと無関係って嘘ついてたから
佐鳥「朱南ちゃんが迅さんの師範ってことだよね!?え、なんで言ってくれなかったの〜!てか米屋先輩たちと戦ったってことでしょ!?うわいいな〜!」
肩をガシッと掴まれ止まらない口で話された
かくいう私は罪悪感で目を背けながらこう言った
『……ご、ごめん………その、ちょっと言いづらくて……』
……まず嵐山隊のとこに行くなら言ってくれればよかったのに
悠一のことだから知り合いだと分かってて言ってなかったんだろうな
本当にいい性格してる
迅「とにかく、作戦会議をしよう。席に着こう」
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迅「……と、まぁこんな感じだ。プランBに移行する時は俺が通信で伝える。あとは……なんかある?」
悠一から一通り作戦は聞いた
確かに筋は通っているし、成功すれば遊真たちの身が保証される可能性は高い
だけど
『黒トリガーを手放すの……?』
迅「……あぁ、それが遊真たちにもこれからのボーダー的にもいい未来に繋がるからな」
正直、悠一がこんなことを言うなんて今さっきまでの私なら信じられない
あんなに、最上さんのことが大切だったのに
これじゃあまるで、自分の気持ちを押さえつけているようだ
迅「……とにかく、まずはプランAから始まる。場合によって変わる可能性もある。そうだろ?」
『まぁ………そうね』
迅「それと……綾辻ちゃん、例のモノ用意できた?」
綾辻「はい迅さん!孤月のトリガーチップです」
迅「よし、朱南!君のトリガーを貸してくれ」
『………?変なことに使わないのなら』
悠一は受け取ったトリガーを綾辻さんに渡した
『ねぇ、何をするつもりなの?』
迅「こないだ三輪隊と戦っているのを見て思ったんだ。あの孤月は師匠からしたら重いから、素早い動きがしずらいんじゃないかってね」
『………そう?でもあれより軽くしたら孤月の耐久性が心配』
迅「今のボーダーの技術を舐めてもらっちゃ困るよ〜」
『それだけ自信があるの?楽しみね』
〜しばらくして〜
綾辻「できましたよ!私、エンジニアじゃないので時間がかかってしまいましたけど……」
孤月の改良は思った以上に早く終わった
迅「いや?全然大丈夫さ!ありがとう」
悠一はトリガーを渡してくれた
迅「ほら朱南。この孤月を使ってさっき言った作戦でやるんだ」
『分かった。でも………練習はしたいかも』
嵐山「だったら木虎が相手をしたらどうだ?」
木虎「………私ですか?」
あ、雑誌に乗ってた子だ。……すっごい嫌な顔されてるんだけど
木虎「………そうですね、いいかもしれません」
『え、……?』
木虎「そもそも一緒に戦うに当たってどの程度の実力か気になりますし」
あれ?案外受け入れられているの……か?
木虎「……まぁ、三輪隊に負けたようなので期待はしませんが」
は?
時枝「木虎、言い過ぎ」
『………随分と舐められたものですね。でしたら正々堂々戦いましょう』
迅「お〜こわこわ」
綾辻「でしたら10本勝負で設定しますね〜仮想ブースに2人とも入ってね」
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気づいたら白く無機質な部屋にいた
どうやらここは仮想空間で模擬戦が出来るらしい
有吾さんが作ったのと同じ……
すると、機械音声が流れ始めた
[これから模擬戦を開始します。1本目、スタート]
その音声が終わるとすぐに木虎が突っ込んできた
『っ、孤月!』
急いで孤月を取り出し、攻撃を受ける
木虎「反射神経はいいのね?」
『……っ!』
勢いよく押し戻し、今度は私が飛びかかる
が、躱される
木虎「……バレバレね。この勝負もらったわ」
背中に木虎の刀が向かっていく
『千代剣!』
千代剣を出し咄嗟に背中を守る
木虎「………!宙に浮かぶ剣………ね」
次は首元を狙われた
ギリギリのとこで躱した……と思った
パカッ
と、首に傷を負ってしまった
『………これは、米屋先輩のと同じやつかっ、』
木虎「チッ………これもダメね」
すると木虎は大きく後ろに下がった
今だ………
距離を詰めていく
ズッ
木虎は動きを止めたままこちらを見ている
なぜ?
私も足を止める
なんのつもり?
このまま行けば倒せるけど………
何かがおかしい
グサッ
『………え、?』
胸元から刃が突き出ていた
[トリオン供給機関破損。]
[1本目勝者、木虎]
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続き楽しみです。応援してます。