テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
不吉な空模様の下、街には緊張感が漂っている。 朝、三人は静かにギルドを出発して北の遺跡へ向かう。本格的に調査を始めるのだ。
剣士少女(リュックを締めながら):「昨日の紋章も、“黒煙”のことも、全部レイさんの過去と関係あるんでしょうか…?」
レイ(足を止め、少し間を置いて):「分からねぇ。だが、答えを探さなきゃならない。……そろそろ、自分と向き合う時が来たんだろうな」
獣人少女(レイの隣に立つ):「何があっても、うちはレイの味方だぞ」
剣士少女(力強く頷き):「私も、どんな敵でも一緒に戦うって決めました!」
仲間の温かいまなざしに、レイは無言でうなずく。
遺跡にて、新たな異変
遺跡の奥へ進む三人。その途中で、異質な“黒い鏡”のような石板を発見する。
それはレイが夢で幾度も見ていた“影の扉”だった。
剣士少女:「……何、この石板……?自分の顔が映るだけじゃなく、誰か“もう一人”隣にいる気がする……」
獣人少女(しっぽを逆立てて):「……この空間、嫌な感じがするわさ……」
石板に手を触れた瞬間、辺りが黒煙に包まれ、三人の視界が歪む。
それぞれの試練
奇妙な空間――
三人はそれぞれ孤立し、自分の「幻覚」に向き合うことになる。
【剣士少女の幻覚】
謎の声:「君はまた“守りきれなかった”ね。弱くて、誰も救えないままだ」
剣士少女(歯を食いしばり):「……違う!私は、もう絶対に逃げない!」
【獣人少女の幻覚】
謎の影:「お前は臆病者だ。一人で何もできず、群れにも守られてばかりだ」
獣人少女(涙を浮かべながら振り切る):「違う!今は――仲間と一緒だから、絶対あきらめない!」
【レイの幻覚】
影のレイ:「“黒煙”の力は破壊しかもたらさない。仲間を持てば、今度こそ全てを失うぞ」
レイ(黙して睨み):「だったら何度でもやり直してやる。俺は、今度こそ――守る側になる」
「再会」そして脱出
三人はそれぞれ自分の恐怖を乗り越え、奇妙な空間から抜け出す。
石板の前で再び顔を合わせたとき、絆はさらに深まっていた。
剣士少女:「……やっと会えた……レイさん、○○(獣人少女)!」
獣人少女(涙をぬぐい):「うち……一人じゃないって、やっと信じられた!」
レイ(しばし沈黙してから):「……“黒煙”の継承者だかなんだか知らねぇ。だが、俺は――お前らを失いたくない。それだけだ」
二人は力強くうなずき、しっかりと肩を並べた。
事件の本格化 ~ヴァイスの動き~
遺跡の上空を、不気味な黒い鳥が旋回する。
どこかでヴァイスがほくそ笑む。
ヴァイス:「いよいよ、目覚めの時か……。選べ、レイ。全てを壊すか、全てを守るか……。お前には“運命の選択肢”が待っている」
夜、静かなひととき(伏線の会話)
宿に戻り、三人は小さな部屋で肩を寄せ合っていた。
獣人少女(柔らかく笑い):「怖かったけど、三人ならどんな幻にも勝てるって、今日実感したわさ」
剣士少女:「私も。……レイさんがいてくれるだけで、強くなれます」
レイ(ふいに、優しい目をして二人を見る):「……ありがとう、お前ら。これから何が起きても……全部、俺たちで選んで進む。それだけは約束する」
三人の指先がそっと重なった瞬間、微かに“黒煙”の紋章が光る――
一つの運命の歯車が、ついにその真価を見せる時が近づいていた。