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「使用人は帰らせていい、明日王族の馬車でアルヴィアン邸まで送ろう。」
国王陛下は堂々と威厳溢れる声でそう告げるが、まるでもうそれが決まったことであるかのように、あるいは決まったことであることにしたいように感じられる。
「ご気遣いありがとうございます。ではそのように伝えてきます。」
俺は上位貴族らしい礼をしつつ答える。
「…実はもう伝えてある。これが着替えだそうだ。」
国王陛下はそう言って着替えが入った絹でできた袋を国王陛下が連れてきた使用人に持ってこさせ、それを使用人から受け取り俺に手渡す。
国王陛下がなぜだかわからないが、俺の使用人たちを帰宅させ、俺の着替えを回収し俺のところまで持ってきた。まるで使用人のようなことを国王陛下自らがしている。正直に言って理解できない。なぜそんなことを?
「お手数おかけしました。ありがとうございます。」
俺はそう礼儀正しく言って袋を受け取る。だがそのときに国王陛下は周囲の誰にもきづかないような自然な素振りと声の音量で、俺に対してしっかりと耳打ちをしてくる。
「夕食が終わったらこの場所に来るように。」
どうやら俺に選択の余地はないらしい。
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