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「帰る」
私は鈴方君の前から逃げ出した。
自分の背中すら見られたくなくて脇道に逸れようと曲がったら、誰かにぶつかった。
「ごめんなさい」
顔を上げると、同じクラスの女王気取りの女――土屋さんだった。
土屋さんはぶっきらぼうな顔で私を凝視していて不気味。でも社交辞令くらいはしとくか。
「怪我はないかしら?」
「何でその顔、学校では隠すの?」
開口一番、面倒くさいことを聞かれた。
ぶつかられたことへの文句も言わず、こんなところで何をしているのかも尋ねない。
それってつまり私がここにいることに驚いていないということで、鈴方君との一部始終を見られていたということだろうか。
「私は怪我していないか聞いたのだけど。大丈夫なの?」
土屋さんは結局質問には一つも答えず、くるりと背を向けて歩き出した*****************************
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