テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

次の日の朝、陸と華子はワイキキビーチを散歩していた。

二人は手を繋ぎながら波打ち際を歩いている。時折来る大きな波を避けようと華子はキャッキャと逃げ惑う。

他愛もないお喋りを楽しみながら二人は朝の海を満喫していた。


タトゥーを入れた髪の長い青年がサーフボードを抱え海へ入って行く。

その横を犬を連れた老夫婦が仲睦まじく歩いている。


華子はハワイに来るといつも良い『気』を感じていた。

ハワイに住む人達は自然を愛し、自然と共存し、自然を敬いながら日々の生活を楽しんでいる。

そんな人々のパワーが旅行客である華子にも伝わってくるのだろうか?


その後ホテルへ戻り朝食を済ませた二人はショッピングに出かけた。

華子がカラフルな可愛いキッチン雑貨が欲しいと言ったのであちこちの雑貨店を見て歩く。

そして華子はハワイらしい柄のキッチン雑貨をいくつか購入した。


次に二人はハワイアンジュエリーの店へ入った。

華子がショーケースの中をじっと見ているので陸が傍へ行くと、そこにはハワイアンテイストの様々な結婚指輪が並んでいる。

ハワイアンジュエリーといえば表面に波や花の模様が施されているものが多いが華子が見ている指輪は表面に模様はなく普通の結婚指輪にしか見えない。その代わりに指輪の内側に波の模様が彫られていた。


「ねぇ、これ素敵じゃない? 陸に似合いそう」

「うん、シンプルでいいな、結婚指輪はこれにするか?」


陸がそう提案すると華子は嬉しそうに頷いた。


そしてプラチナ製の結婚指輪を購入する。

陸はそれ以外にプルメリアのチャームがついた可愛らしいブレスレットを、今回の旅の記念に華子にプレゼントした。

華子は嬉しそうにブレスレットをその場で身に着ける。店を出てからも時折ブレスレットを愛おしそうに眺めていた。


夕方二人はタクシーで賢太郎と夏子のマンションへ向かった。ワイキキにほど近い2LDKのマンションが二人の住まいだった。

陸の母はそのマンションから歩いて数分の場所の1LDKのマンションに住んでいる。

互いの距離がスープが覚めない距離だったので陸も安心していた。


インターフォンを鳴らすと早速夏子が出て来た。


「いらっしゃーい、お待ちしてました。さあどうぞ」


夏子は二人をリビングへ案内する。


部屋は想像よりもかなり広くベランダからは遠くに海が見渡せる。

窓が大きく日当たりがとても良いので室内は明るく住み心地の良さそうなマンションだった。

近くには地元の人が利用するスーパーやドラッグストアもあるので生活するには便利だと夏子は言う。


パーティーの為に陸の母と夏子が沢山の料理を作ってくれていた。

ハワイでは日本の食材も簡単に手に入るので、陸の母は煮物やちらし寿司なども用意してくれた。

一方夏子はサンドイッチやチキンのハーブグリル、キアヌサラダ等を用意してくれた。どれも美味しそうだ。


華子は土産に買ったケーキを渡す。


「食後にみんなでいただきましょう」


夏子が嬉しそうに言った。


陸の家族とのホームパーティーはとても楽しいひと時だった。

陸の母は陸が初めてバレンタインチョコレートを貰って来た時の話を面白おかしく華子に聞かせる。

調子に乗った母は陸が初めてラブレターを貰って来た時の話もしようとする。

そこで陸からのストップが入る。


「もう言わなくていいから……」


初めて焦った様子の陸を見て華子は声を出して笑った。普段は見られない陸の一面を見て華子は新鮮な気持ちになる。そして更に陸の事が大好きになった。


食後のデザートを終えると華子達はそろそろホテルへ戻る事にした。

玄関まで見送りに来た陸の母は華子に小さな紙袋を渡した。

袋には小さな小箱が入っている。小箱はプレゼント用に綺麗なリボンが掛けられていた。


「これ華子さんに。ハワイに来た思い出に」


陸の母からの思いがけないプレゼントには華子の瞳が潤む。

なんとか涙をこらえると華子は聞いた。


「開けてもいいですか?」

「もちろん、どうぞ」


華子が小箱を開けるとそこにはホワイトゴールドのプルメリアのペンダントが入っていた。


「素敵!」

「気に入って貰えたかしら?」

「ええ、もちろん! それにこれってもしかしたら昼に陸がプレゼントしてくれたブレスレットとお揃いかもしれません」


華子は左手の手首に着けていたブレスレットを見せた。

それを見た他の四人が声を揃えて言う。


「「あっ! 本当だ!」」


偶然にも陸の母がプレゼントしてくれたネックレスは、陸が華子に買ったものと同じシリーズだった。


「まぁ! そんな偶然ってあるのねぇ」

「偶然同じシリーズを選ぶなんて、やっぱり親子なんだねぇ」


賢太郎の言葉に皆が頷く。


「今すぐ着けてみます」


華子はそう言うと陸に箱を持ってもらい早速そのネックレスを首に着けてみた。

可愛らしいプルメリアのネックレスはプルメリアのように美しい華子にとても良く似合っていた。


「お母さんありがとうございます。一生大切にします」


華子の嬉しそうな顔を見て陸も嬉しそうだった。



帰り際、陸が三人に言った。


「明日は朝早い便だから見送りに来なくていいから」

「わかったわ。じゃあお兄ちゃん、ハワイ最後の夜を楽しんでね! 華子さん、また東京でお会いましょう」

「華子さん、東京で会えるのを楽しみにしていますね。こちらへはいつでも遊びに来て頂戴」

「はい、また是非遊びに来ます」


そして二人は夏子のマンションを後にした。


タクシーが来るまでの間華子はフーッと息を吐いた。


「疲れたか?」

「ううん、幸せ過ぎて胸がいっぱいなの。このネックレス、凄く嬉しかった! 一生大切にするわ」


華子はよほど嬉しかったのかいつまでもプルメリアの部分を指でいじっている。


タクシーに乗った後華子は流れゆく南国の街を見つめながらとても大きな幸福感に包まれていた。


あの日、死ななくて本当に良かった…


今なら心からそう思える。


(人の幸せと不幸の量って決まっているのかな? 苦しみも喜びも……訪れる時期が違うだけでもしかしたらその総量は決まっているのかも?)


華子がそんな事をぼんやりと考えていると陸が言った。


「今度はゆっくり来ような」

「うん」


華子はニッコリして頷くと陸の手をギュッと握る。そして街明かりに反射してキラキラと輝く海をいつまでもじっと見つめ続けていた。


ホテルの部屋に入るとハワイでの最後の夜を惜しむように二人はすぐに熱い抱擁を始めた。

華子が靴を脱ぐと陸は華子を抱き上げすぐにベッドへと連れて行った。


「シャワーを浴びている時間も勿体ないわね…」


華子はまだ余裕があるのかそんな事を口にする。するとその唇をすぐに陸が塞いだ。


「さっきから…夏子の家にいる時からずっとこうしたかった…」


陸はそう耳元で囁くと熱い吐息をかける。


「フフッ…くすぐったいわ陸」

「そうか? じゃあこれはどうだ?」


陸はニヤッと笑うと華子の耳を舌で舐め回した。


「あぁんっっ…..」


途端に華子の色っぽい声が漏れる。その声で火がついた陸は華子の服を脱がせていった。

そして自分も服を脱ぎ捨てる。

南の島での最後の夜を惜しむように二人は身体を重ねていった。


いつもよりも強く感じ激しく燃え上がる。二人の愛の行為はとどまるところを知らない。

華子は陸の的確な愛撫によりあっという間に潤っていた。

まるで陸に早く来てと言わんばかりの濡れようだ。


陸は華子のリクエストに応えるべく避妊具を取りに一度ベッドを離れようとした。

その時華子の手が陸を引き止める。


「ん? どうした?」

「陸……そのままがいい」

「えっ?」

「私…陸の赤ちゃんが欲しいの」


華子はそう言うと上半身を起こして陸の口に唇を重ねた。

華子の陸に対する精一杯の愛情表現だった。



長いキスの後華子は漸く唇を離す。唇が離れるとすぐに陸が聞いた。


「本当にいいのか?」

「うん…私子供大好きだから」

「でもすぐに妊娠したら、新婚生活を楽しめないぞ…育児は大変だからな」

「すぐに赤ちゃんが出来るかどうかわからないじゃない。それにもしすぐに赤ちゃんが出来たらそれはそれで凄く嬉しいわ。私ね、陸のDNAが入った赤ちゃんを産みたいの。でも一人っ子は嫌! 兄弟も作ってあげたいの」


華子は自分が一人っ子だったのでもし自分が子供を持つなら絶対に兄弟を作ってあげたいと思っていた。


「そんなにせがまれたら仕方がないなぁ…」


言葉とは裏腹に陸はとても嬉しそうだった。


「フフッ、それにね、陸の歳を考えたらあまりのんびりもしていられないしね」

「おっ、言ってくれるねぇ…俺は子供が出来たら更に頑張るからな! 見てろよっ!」

「キャッ!」


陸は再び華子を押し倒す。そして今度は更に強く華子を愛し始めた。


「はっ…はぁっ……りく…..あんっ、だめっそんなとこ……はあっ…」


華子は快感の波に溺れないように必死に訴える。何か口にしていないと意識が飛んでしまいそうだった。


「華子、すごいぞ…トロトロだ」

「いやんっ、言わないでっ……ハアッ……」


すると次の瞬間陸は華子の両ひざを持ち上げ何も着けないままグイッと突き刺した。

その瞬間今までには感じた事のない快感が陸を襲う。


「クッ……」


そして激しく腰を振り始めた。華子の内部の熱を感じる部分からはかなり強い刺激が襲ってくる。

陸はあっという間に上り詰めた。それは華子も同じだった。


「あぁぁんっっ…….」


ナマで感じる陸はうねるように華子の内壁をこすりながら今までに感じた事のない快感を華子に与える。

そしてその後二人はあっという間に絶頂へ達した。


華子の子宮の内部に陸の熱いエネルギーが広がっていく。その時華子は女としての幸福感に満ちていた。


そして二人は今同時に何ともいえない充足感を感じていた。

この作品はいかがでしたか?

132

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚