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#恋愛
ばたっちゅ
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215
#BL
NGS_ヘビーなしっぽ
204
[3918年6月4日10時??分/16号]
「ほらほら頑張って頑張って〜♡」
「チックショー!!好き放題投げやがって!!」
タカミはこの広い空間を利用して色んな物を創造し、こちらに投げている。むしろ、こんなに同じものが作れるならコピーと同じなのではないか。
16号は推測を立てながら、8号を担ぎつつ走ってタカミが投げ飛ばしてくる瓦礫やらパソコンやらを頑張って避けている。
タカミは攻撃しないのを怪しみ少し考えながら、物体を吸収していた。16号は、どうしようかと考え、足を止めた。
「あ!UFO!!!」
「は?!まじ?!どこどこ?!」
16号は明後日の方向を指さした。それに釣られるタカミに向かって8号をぶん投げた。8号はタカミに向かって剣を突き立てた。
タカミはそれに気づいたが避けきれずについ身体を貫かれぎゃぁぁぁぁっ!と叫ぶ。
「痛い!!酷いわ!!こんな幼子にこんな事するなんて!!虐待か?!ぽまえらまじクソー!!」
「嘘だろ?!なんで身体に上から刺されて生きてんだよ?!普通死ぬだろ!!ゴキブリ?!ゴキブリかよ!!」
「はぁ?!美少女に向かってゴキブリはないわー!!まじお前ないわぁぁー!!サイテー!!」
「…異星人は生命力が高いんですよ。首を切るのが確実です。特に、生きたい意志の強い異星人にはね。」
ごめんと謝る8号を軽くはたきながら、次の作戦を考える。ほらを信じるくらいのアホなら欺くことは簡単だろう。次は確実に殺さねばならない。
「8号、次はちゃんとやってくださいね。」
「ちゃんとやってるっつの!」
16号は前に出て8号を援護した。投げられた物を切り落とし蹴り落とし、殴り飛ばした。殴り落とせない障害物は被弾したけれど接近しようとした。
8号も同じようにして16号のようにタカミに向かって走る。タカミも負けじと大きな障害物を創造し、二人に投げつける。
二人は避けきったが大きな障害物がまたひとつひとつと創造されていき、キリがないほどだった。16号はリスクを犯してまで接近しようとした。
そのままぐんと接近し、16号はタカミの首を低い位置から切ろうと、その大きな剣を振り上げ横に振った。だが、遅かったのだ。
16号は避ける前に、その身体に心臓を一突きできるほど鋭利な針が刺さった。タカミの首はまだ繋がったままだ。首は深く切れたものの仕留めていない。
薄れる意識の中、8号に抱えられていた。8号はタカミと距離を置いた。タカミはその光景、隙を刺さずに眺めていた。見ものだとでもいいたいのだろうか。それほど僕たちが哀れで滑稽に写ったのだろうか。
「16号…、大丈夫…大丈夫…だよな…?…なぁ…。…なんで、…泣いてるんだよ…なんで…。」
「…あなたこそ…泣いてるじゃないですか…。」
「バカ…!バカッ!!バカバカバカッ!!なんであんな無理をした!!どうして…!!」
「8号に…傷ついてほしかなかった…。…僕は…、独りじゃ怖くて動けない臆病者なんだ…。置いてかれたくなくて…死んで欲しくなくて…っ…あぁ…。」
情けない。こんなに泣きじゃくって、8号に、こんなに悲しい思いをさせてもいて、未だに自分の事ばかり考えてる自分が嫌だ…嫌だよ…。
本当は、真面目ぶってただけだ。本当は一緒にバカやりたかった。本当は、すごく臆病だった。
薄れる意識の中、呼吸もままならないまま、ただ涙を流して8号を見つめた。息ができなくて、何を伝えても心残りがある気がした。けれど、僕はなにか喋ろうと、掠れた声を振り絞って出した。
「本当は…、凛都…と…ずっ…と…馬鹿やってたかった…。でも…自分…出す…の…恥ずかしく…て…。」
「16号…16号!!16号!!16号……じゅう…ろく…ご…う……優希…!!!お願いだから喋って…俺…俺っ…友達って…!死ぬなって…言った…ばかりじゃないか…。」
『約束な!!!絶対死ぬなよ〜?生きて帰って、一緒に退役して、普通の生活に戻るんだよ。』
任務前に交わした言葉。頭に残る心残りはそれだけだった。そのまま、16号は息を引き取った。
タカミは8号に鋭く大きな針を向けた。8号は、無気力に座り込んでいた。ただ、無気力感に襲われ、戦意喪失した。そう思いタカミは8号の心臓部にその鋭利な針をさした瞬間だった。
タカミの首は落っこちていた。相打ちだった。タカミは困惑していた。だが、え?という声も出せない。8号は、剣を落っことし、倒れた。タカミも、自分の体が倒れるのを、その目で見て、息絶えた。
結局二人の約束は、果たされない。曖昧な契りに応えるほど、この世界は、現実は、甘くなかった。現場に残っていたのは三人の死体。それだけだった。
[3918年6月4日10時??分/86号]
「なんだ、クソガキ三人お出ましか?」
「あなたが思っている以上にガキじゃあないわ。」
「狭い世界しか知らねぇ18才が果たして大人と言えるのか?クソガキ」
「そうね、あなた程知ってはいないかもしれないわね。」
建物内に入り、イェルを見つめた。この人がどれ程強いのかはよく分からないわ。けれど、私ができるのは、こいつの足止め、あわよくば倒すこと。
けれど、さっきから111号の様子がおかしいのよね。動こうとしないというより、けれど、眠たそうでもないみたい。
この人のことを知っているのかしら。トラウマをおっているかもしれないし、あまり触れない方がいいかもしれない。今は放っておきましょう。
イェルの身体がドロドロに溶けて変化した。それは、86号がよく見ていた顔である。けれど、それに関して86号はなんとも思っていない様子だった。
「やっぱりか。お前は、母親のことなどどうでもいいし、見覚えがちょっとあるくらいなんだな。」
「えぇ、そうね。だって私その人の不注意で産まれた子だもの。そんなネグレクトビッチクソ女を気にかける必要があるかしら。」
「あの…86号さんどうしますか?俺この人のこと殺せるような技量ありませんよ…。」
「わかってるわ。とにかく111号の事は頼んだわよ。」
イェルに斬りかかるが急にまた姿を変えた。アイリールの姿になった。86号はそれを見て一瞬剣を鈍らせたが、斬りかかった。
向こうも剣を持っていて当然のごとく防がれた。攻撃を喰らう前に86号は後ろに下がった。
「どうして…その人なの…。」
「躊躇うから。」
思った以上に厄介ね。とにかく、他に方法はないかしら。この人の隙をつければいい。けれど、能力的にも聞くところによれば複数持っているのだとか。
「111号は無理そうね…。完全に放心状態よ…。」
111号は放心状態だからかイェルは何にもしていないようた。というより、完全に後回しにしている。早くイェルを仕留めないと。
86号はイェルに向かってまた走り出すが今度は急に右から剣が飛んできてそのまま腕に刺さってしまう。腕に刺さったことにより86号は手から剣を離してしまった。
「はぁ…困ったわね。腕がちぎれちゃったわね。酷いじゃない、急にこんなもの投げるなんて。」
「頭のおかしいマゾ気質な馬鹿野郎の頭を冷やすのにはうってつけかと思ってな。」
「マゾだなんて酷いわね。デリカシー無い男の子は女の子に嫌われるのよ。」
「好かれたいとも思ってないわ!」
86号はちぎれた右腕から剣を抜き取り、右腕を傷口の断面どうしでくっつけ始める。そのままくっついてしまったのだ。何も無かったかのように。
「そんなことができる奴もいるのか。」
「えぇ、自己回復ができるわ。私は怪我する前提で作られたもの。」
コアが破壊されれば、回復は不可能だけれど。ちょっと痛かったけれど上手くくっつけることができて良かった。エネルギー節約よね!
86号は、再び剣を拾い、イェルに向かって振り下ろすが、やはり剣で防がれる。86号は66号の後ろに下がると66号はガトリンガンで撃ち始める。
こんなので撃たれてたら身体穴だらけになっていたわ。そう考えるとこの武器めっちゃ怖いわね!
ガトリンガンで何度も撃たれるイェルだが、やはりというか、盾となるものを作っていて簡単には被弾しなかった。
「無理みたいね。隙をつけばいけるけど。…あなた、同士討ちは苦手かしら?」
「…苦手です。」
「そうよね。あまり気持ち良いものではないと思ってるわ。けれど、策が思いつかないわ。」
「……。」
86号はイェルの所へ行こうとした、その時だった。背後から誰かに心臓を貫かれた。地面に倒れ込んだ拍子に刺してきた人をちらりと見た。
111号だった。111号は、戦いな苦手な66号にも同じように心臓を一突きし、殺した。敵の能力?どうしてこんな事をした?錯乱状態だった?
頭の中に疑問がやまない。コアが壊れ、崩れ始めるさなか、私は疑問以外頭に浮かんでこなかった。意識が遠のく中、私は言葉を発した。
「どうして…。」
「えへ…えへへ…、どうしてだって?イェル様を見れるなんて何たる光栄ですか!!その喜びを二人が邪魔するから!!二人のせいなんですよっ!!」
「ざっけんじゃないわよ…この……アウス教が……。」
やがて、86号は意識が無くなった。111号はイェルをじっと見つめた。そして込み上げてきたのは笑いだった。なぜ、そのようなことをしたのか、彼女には理解できていた。目的があったのだ。
彼女の思惑に、彼女の生い立ちに、彼女の異常さに気づいた時、イェルの顔色は一気に悪くなった。
「お前……お前お前お前っ…!!最悪だ…!!誰かに縋ることしか取り柄のないこのクズ…!!!」
「イェル様が私の記憶に触れてくれるなんて!光栄すぎて涙がっ…えへへ…イェル様のお陰で眠気が吹っ飛んでしまいました…。」
111号は興奮から涎を垂らす。イェルは顔を引き攣らせ少しづつ後ろに下がる。彼女は、無意識のうちにイェルのトラウマを、踏み込んではいけない領域に近づいていたからだ。
111号はイェルのことを信仰していたのだ。彼女の家系はアウス教だった。異星人を信仰し、異星人と心中したいと、幼いながらの彼女は思っていたのだ。
それが生きる希望であり、願望だったのだ。心中することが111号の、彼女の生きる理由だった。
「あなたは幼い頃から誰かの記憶を見て代わりに泣いて同情して優しく振る舞う。そんな子だったそうですね。素晴らしいです…、そんな優しさに皆貴方を信仰した。なのに、あなたはその信仰心から逃げちゃうから、ダメなんですよ…。」
「来るな…!!気持ち悪い!!誰かに慰められ続ける人生なんかに価値なんてない!!気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪いっ!!!」
イェルはパニックから、変身する能力も解けていた。それは完全なる恐怖だった。
彼女はイェル近づくなり抱きついて匂いを嗅ぎ始めた。彼の拒否するような視線や仕草を無視してその幸せに浸っていたのだ。
彼女は愛していた。彼女は心の底から彼を愛していたから、何を言われても無視した。彼女の理想じゃない言葉は、聞かないフリをして取り繕う。
そのおかしさに、彼はまた、あいつと同じだとトラウマを再度抉られた。
「あなた以外はどうでもいい。あなたは優しい、誰よりも。貴方を信仰することが私の生きる意味。人間である私に生きる意味を与えたのです。」
「もう…やめてくれ…。悪魔は…俺たちじゃない…お前らだ…。」
「怖くて動けなくて今にも泣きそうな貴方が堪らなく…愛しいのです。死んでください。私のために。」
彼女は、愛しい彼を抱きしめ、鋭利な刃物で、二人一緒に心臓を一突きにされた。彼女の心は幸福に満たされていた。
二人は意識が朦朧する中、イェルは111号のことを拒絶しようとした。けれど、痛みの中、苦しみの中、自身のトラウマを産んだ人間と関係者、それだけで彼は恐怖で体が動かなかった。
「お前っ…なんかっ……!!おぇっ…ぇぇっ…。」
彼は何度も吐血した。けれど、それを見つめる彼女は、ぎゅっと抱きしめまた。彼は何度も彼女から離れようと押したが、離すことは無かった。
そうして、彼女らは死んでいきました。
[3918年6月4日10時??分/1号]
敵が容赦なく私たちを撃ち殺しに来ている。けれど、37号の射撃支援で割となんとかなっている。電ノコで敵を切るが血が飛び散って身体中血生臭い。
1号は電ノコで敵の首を斬りながらも他の敵を銃で撃ち殺す。だが、キリが無いほどに全然減りやしない。というより、二班が壊滅したのだろうか。
他の所から援軍が来ているのだろう。地下階段やらが多い廊下なものでんまりにも増援が多すぎてもうここまで来ると手詰まりというやつだ。
あんまりゴタゴタしてる余裕なんてない。こんな所で死んでられないというのに、増援は虫のように湧いてくる。
戦いの中、ひとつの銃弾が私の胸を貫いた。だが、コアにはギリギリ当たらなかったみたいだった。そんな小さな面積で穴を開けりても死にはしないけど、首元がヒヤッとした。
「1号さん危な───」
急に37号が飛び出してきて1号は驚きそのまま37号に押されたが、37号の胸にぽっかり穴が空いていた。37号は一言も発せず力尽きた。
慌てて通路の角へ行き敵の銃撃を受けないように隠れた。その時、どこからか爆破音が聞こえ敵も混乱している様子だった。
壁から覗いた時、37号の死体をよく見たがやはり心臓辺りにぽっかり穴が空いているようだった。奥にいる敵に大きな銃を持った敵がやったことだろう。銃を撃って殺そうとしたが全弾外してしまった。
やっぱり私に銃は向いていない。このままではジリ貧だ。いっそ思いっきり突っ切ってしまえば、なんて考えたがそんなのしたって命の無駄だ。
こんなヤツらに殺されるような屈辱は絶対嫌だ。こんな腐れトンチキ生き恥野郎に殺されるくらいなら自殺した方が100倍ましだ。
これを外したら自害するしかない。そう思い、最後の銃弾を込めた。たが、その時同じく銃撃に参加するものがいた。
「援護しに来た55号だ。」
「え、援護しにきた120号…です…。」
「助かる!!あのでっかい武器持った奴!!あいつ撃ち殺して!!」
「なら、これ使っ…て、ください…!!」
手榴弾?使い方分からなすぎるどうしよう。ピンを抜こうとした時に焦った様子の120号に手を掴まれた。何か問題があっただろうか。
「あの!!レバー…しっかり持って!!レバー開いたら爆破しちゃうから。」
1号は初めて使うもので頭にはてなを浮かべながらレバーごと手榴弾を持ち、安全ピンを外し敵の方に投げると爆破した。
「わばぁぁぁーっ!!!」
「いやあんたがビビるんかい!!」
「…仕方ないじゃないか。この子すっごいビビりなんだよ。許してあげて欲しい。」
なんだこいつ。真面目ぶったナルシストっぽいやつだな。自分のこと好きそう。
1号は辺りを見渡した。他の通路にも敵がいるみたいで武器を構えた。また、容赦なく銃が撃たれた。四方八方に飛び交う銃弾が身体に当たったり、当たらなかったり。痛みを感じるまもなく動き始めた。
前に出て1号は、電ノコを大きく横に振るう。リーチの長い武器は簡単に間合いに入ってしまうほどだった。深く腹を斬られた異星人の死体を掴む。
「この悪魔がっ!!!!」
敵の罵声がかえって滑稽で気持ちいい。負け犬の遠吠えと言うやつだろうか。
「死ねっ!!死ね死ね死ねっ!!あは…はは…」
死体を盾にするように掴む。肉壁で銃弾を防ぎ使えなくなったら投げては接近し、倒れた兵を踏みつけながら走り斬り、踏みつける。
だが、1号が敵に攻撃しようとした時、敵は首を切られる死んでしまった。120号がやったのだ。そんなあっさり死なれては困るではないかと思った1号は前に出ようとするが、120号が先へ先へと進む。
簡単に殺してしまう。サクッと殺してしまう。苦しませないように殺してしまう。それが何故かイラついて、120号の胸ぐらを掴む。敵を盾にしていたからか、銃弾が私や120号に当たることはなかった。
「どうして楽に殺す!!こんな奴ら苦しんで死ぬべきなのにお前はなんで…!!楽に殺すんだ!!私の邪魔をするな…!!」
「…それはこの人達だって同じじゃないか…!!この人達だって好きでやってる訳じゃない…!なら、楽に殺すのが僕たちのできる最善じゃ…ないか…。」
「理解できない!理解できない理解できない!!こいつらは死ぬべきだ!苦しむべきだ!!こいつらは私たちの!!この地球を奪おうとした!!それに飽き足らず…!私の家族も…!!奪って貪って!!」
「二人とも…!!そこ離れるんだ…!!」
55号の声が聞こえた。敵がまた、あの武器で私たちを撃ったんだ。あぁ、死ぬ。そう思った。けど、誰かに押されて地面に倒れた。
血が飛び散り、頬に生暖かい液体が伝う。倒れたと同時に、誰かが私の身体に倒れ込んできた。誰か、など曖昧な言葉で隠している。
私の近くで、こんなにすぐに反応できるのは一人しかいない。それと同時に、銃を乱射したのか、銃声が聞こえた。
「う”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!」
55号の怒号だった。銃を何発も撃った。荒く、雑に撃った銃弾は当然敵に致命傷を与えることは出来ず、弾切れになっても、引き金を何度も押し続けていた。錯乱状態で前が見えていないのだ。
どうどうと撃ったせいで、敵に狙われちゃったみたいだ。また、撃つ音が聞こえた。今度は55号じゃない。その時点で、彼女の生死は分かりきっていた。
私もおかしかった。どうかしていた。臆病者だと勝手に偏見を持っていた相手が、自分よりも前に出たせいだ。それで、おかしくなったんだ。
生暖かい液体が腹を浸みる感覚。あんな武器見たことがない。一発でコアが破壊されるほど強力な武器なのだろうか。
あんな技術いつ一体どこで保有していたんだ。技術力の低下、人員不足人口不足だったはずなのに、どうしてあんな技術が…。
「うわ…グロいしあんま見たくねぇな…。動かねぇし、死んでそうだな。ったく…手間かけさせやがって…。」
「けど、なんでいきなり喧嘩し始めたんだ?」
「さぁ…?でも、こいつらまだ何も知らない奴だ。年齢があれでもガキンチョだろ?こんな奴らに戦わせるとか、どうかしてるだろ。」
敵が通過していく。他の子たちを殺しに行くんだ。私たちのことなんて何も知らないくせして私たちのことなんてなんも知らないくせして私たちのことなんてなんも知らないくせして…!!偉そうに!!!
怒りがふつふつと沸き上がる。一方的な殺意だ。自分が間違っているのも分かっている。逆に言えば、間違ってるから、もう後には引けないのだ。
軍隊が通り過ぎた時だった。立ち上がり、武器を振るった。その時、血が飛び散った時、その鮮血が身体に飛び散った時、妙な気持ちよさを感じた。
悲鳴が自分を肯定する声に聞こえた。撃たれた感覚も、嘘みたいに気持ちよかった。私が戦いに求める感覚だった。だから、いつもみたいに腹を裂いた、腕をちぎって飛び散る血を浴びた。
「あひゃ…あひゃひゃひゃひゃっ!!痛い?!痛いよね…!?もっと私を怖がって?!もっと私の事ちゃんと見て!!もっと私を!私を!!私をっ!!」
1号は血を浴びて、何度も何度も切り裂いた。あまりにも呆気なく死んでしまうものだからなんだか残念な気持ちになりながら何度も死体を切り裂く。
それでも、彼女は虚しさを晴らせずにいた。自分のせいで120号は死んだ。自分のせいで55号は死んだ。11号の時もそうだった。
戦いは、誰かのせいにできるから好きなのだ。誰かのせいにした後、自分のせいだと後で責めてしまう虚しさは嫌いだった。
1号は、虚しい気持ちを全て忘れ、次々と来る兵士の群れをまた切った。彼女の中には、他責の感情以外残らなかった。
[39??年4月12日/1号]
「もう…戦いたくないよ…。」
「そんな事を言っちゃいけません。」
「でも…、異星人さんも…好きで戦ってる訳じゃない…よ…。」
指導員は1号が武器を離し、困った様子で武器を拾い上げた。1号は戦闘意欲が低く、すぐに泣きじゃくってやりたくないと懇願してしまう。
これには皆、頭を悩ませていた。そこで指導員は、憎しみがあればきっと戦えると思った。そこで1号の手を握りこういった。
「君のお父さんお母さん、お腹にいた妹。皆、異星人に殺されたのに、1号は憎くないんだ。」
1号の家族への気持ちを否定する言葉だった。そんなことないと言いかけた1号に、指導員は被せてまた、こう言った。
「そんな事ないと思うなら証明して見せなさい。」
あまりに残酷な一言。彼女は自身で、憎悪を武器にしたのではない。けれど、その憎悪は成長するにつれ、いつしかホンモノの憎悪となった。
「なに?家族が殺されたのに悲しくないの?今も同族がごまんと!殺されてるのよ?!しかも!!あなたの両親は!!異星人に腹を切り裂かれ!!苦しんで死んだ!!あなたは仇を取りたくないの?!そんな人間なの?!憎悪だけよ?!憎悪だけがあなたの持つべき感情なの!!それ以外必要ないの分かる!?あなたの家族の思いは、ただ悲しい、それだけ?!違うわよね?!異星人を苦しめて殺すの!!そうすれば!殺された家族もきっと、報われるわ。」
「…………はい。わかりました…、あいつらは……、異星人は、敵であり、……苦しむべきモノです…。」
「はい!よく出来ました!素晴らしいですね!!」
[3918年6月4日10時??分/2号]
トコイに振ったはずの剣。その剣は簡単に彼女に折られてしまった。2号は慌てて後ろに下がった。背中に抱えていた大きな剣を抜刀した。
背に背負っていた鞘を全て地面にほおり投げ、少し身軽になる。2号はトコイを睨みつけた。
「管理室は私の後ろだ。だが、私に一人で立ち向かうとは、舐めプがすぎるのでは?」
「うっせぇな。人が足りねぇんだよだボケが。」
「…そんなに口が悪いと、3号に嫌われないか?」
「おめぇの安定しない口調こそ嫌われるわ。情緒ぶっ壊れてんじゃねぇぞ、この裏切り者が。」
トコイの喉から出る笑いに2号はただ軽蔑の眼差しを向けるしか無かった。イライラとした気持ちを抑えるため、2号は唇を噛んだ。
堪えきれないほどのいら立ちが判断を鈍らせた。2号はその無窮の憎悪をむき出しにした。叩き潰す勢いで、防御される前提での攻撃。
感情的に振り、速さなど微塵もない力任せの攻撃と、広い空間に小さく響く2号の言葉にならない唸り声。何度も何度も彼女の鎌に怒りを打ち付けた。
「んな無意味な攻撃したって意味がないだろう?!」
「黙れっ!!黙れ黙れ黙れっ!!!消えて!!消えて消えて消えてっ!!死んで!!!死んでよ!!!!」
支離滅裂に罵倒し、ついに最後の一本の剣も呆気なく折れてしまった。折れても尚、鎌に何度も剣を打ち付け、悲鳴を上げた。
だが、体力が尽きたのか少しずつ息切れを起こした。無防備だった。簡単に刺されてしまう。だが、今の2号にはどうでもいい事だった。
その隙を、トコイは黙って刺した。2号は力なく倒れ、地面の冷たい感覚を感じながらただ、動く気力を喪った。
「2…号…?」
3号が驚いた表情をしている。こんな所に3号がいるんだなとぼんやり思った。ただの幻覚だろうと思った。この任務に3号がいるはずないから。
久しぶりにこんな生々しい痛み、苦しいと感じた。あんまり、気にしないようにしてたのに。どうでもいいって思うようにしていたのに。
「何故お前がいる。3号…。」
何言ってんだ、こいつ。私の幻覚見えるとか、それともとうとう頭おかしくてあいつも幻覚見てるのか…。なんだ本当。せめて死ぬなら、もっとマシな死に方が良かったのにな…。
そう思いながら、2号は目を閉じた。
111号について知りたい人は解説見てね⬇
はい、めっちゃ意味わからないだろうから言っておきますね。111号が86号と 66号を殺したことについて、少し意味がわからないかもしれません。なので補足入れておきます。111号の家系は昔からある異星人を信仰する邪教徒のアウス教であり、両親に昔からその宗教を教えて貰っていました。111号は異星人について詳しい情報通なにんげんなんですけど、異星人であるイェルを強く信仰してたんですよ。アウス教は異星人自体を信仰しており、111号は神のような存在と心中したいという独特な考えを持っていました。むしろ、イェル以外に興味はありませんけどね。話を戻しますと、アウス教は独自の思想を持つことを許されており、異星人なら誰を崇めてもいいんですよ。そこで本題ですが、イェルがアウス教徒である111号に恐怖していたのは記憶を見て、自身にトラウマを負わせた人物の似ていた為、とても怖がっていたんですよ。だから、恐怖でそれどころじゃなかったわけですね。つまり、111号は頭がおかしい。
コメント
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うわっ…第33話、マジで重かった…。16号と8号の約束が果たされない展開、胸が締め付けられたよ。任務前の「絶対死ぬなよ」がフラグになってるの辛すぎる。1号の憎悪に塗れた戦闘狂化もヤバかった。あの指導員の洗脳がブーメランになってる感じがする。111号の狂信っぷりもエグいし、イェルがトラウマでパニックになる描写が生々しかった…。戦闘描写の解像度が高くて、キャラの心情と戦闘スタイルがリンクしてるのがめっちゃ刺さったわ🔥