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恐怖のあまり、うまく喋れない。そういえば、こういう廃墟はよく不良なんかの溜まり場になっていて、そういう人たちに肝試しに来た人が襲われるという話をネットで見たことがある。まさか、私が遭遇することになるなんて……
「おい、この女、なかなか可愛いぜ」
「そうだな。へへ、こりゃ楽しめそうだ」
「やめて! 来ないで!!」
怖い。逃げたい。だけど、体が動かない。
「そんな怖がんなって。俺らと一緒に遊ぼうぜ」
「嫌っ!! 離してっ!!!」
「大人しくしろよっ」
「痛いっ!」
「暴れんなっ」
「うっ……」
「よし、連れてくぞ」
「いやっ……ど、どこに行くの?」
「へへっ、俺たちとゲームしようぜ」
「ゲ、ゲーム……?」
「そうだ」
そう言うと、私は目隠しをされ、さらに服を脱がされ、両手を縛られた。
「ひぃっ」
怖い。一体何をするつもりなんだろう。
「これからお前をここに置いていく。無事、逃げられたら助けてやるよ。けど、気をつけな。ここ、俺たちが帰ると、ホームレスのおっちゃん達がよく来るんだ。もし見つかったら……」
「い、いやぁ……」
「それじゃあ、スタートだ。せいぜい頑張りな」
不良たちはそう言ってどこかに行ってしまった。
「うぅ……」
とりあえず、なんとかしないと。こんなところで裸のまま一人ぼっちなんて……。まず、目隠しを取らないと。でも、手を後ろで拘束されていて、うまく取れない。よし、あと少し……というところまで来た時、ガサッ
「ひっ!」
誰か近づいてきた……でも、音が遠い。まだそんなに近くにはいないはず。今のうちに……
「よいしょっと……」
よし、取れた。これで見える。でも、目隠ししたまま連れてこられたから、ここがどこかわからない。おまけに、ライトもないから、真っ暗だし……。とにかく、ここから離れよう。
「あっ……」
歩き出そうとした瞬間、何かを踏みつけてしまい、バランスを崩してしまった。ドサッ 倒れ込む私。
「いたた……もう、何やってるのよ」
暗闇のせいで何も見えない。それにしてもここは廃病院のどのあたりだろう……? ガチャッ
「ひっ!」
突然、扉が開くような音が聞こえた。誰かが入ってきてしまったらしい。どうしよう……。(続く)