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「……少しはバカンスらしいことをさせてやる」 先輩が選んだのは、日本最大級のサメの飼育数を誇る**『アクアワールド茨城県大洗水族館』**。 薄暗い大水槽の前、悠々と泳ぐシロワニ(サメ)の影が、私たちの足元を通り過ぎる。
シーン: 「サメはな、止まると死ぬんだ。……俺とお前も同じだ。この旅を止めることは、死ぬことだと思え」 背後から抱き寄せられ、耳元で冷たく囁かれる。水槽の青い光に照らされた先輩の瞳は、獲物を狙う捕食者のそれだった。バリでの一件以来、先輩の愛は、優しさの中に常に鋭い「棘」を孕んでいる。
水族館を後にし、活気あふれる市場へ。 「……食え。茨城の海の力を、その体に刻み込め」
食: 旬の**『岩牡蠣』**。手のひらほどもある巨大な身に、レモンを絞って。
シーン: 「あーん、してみろ」 乳白色の濃厚な身を、先輩が強引に私の口に押し込む。 口いっぱいに広がる海のミルクと、潮の香り。 「……美味しい……」 「だろうな。……バリの安っぽい味とは違うだろ?」 事あるごとに突きつけられる過去の過ち。私は、その苦みさえも飲み込むしかなかった。
食後は、果てしなく続く砂浜へ。 「……走ってみろ。どこまで逃げられるか試してやる」 冗談めかした口調。けれど、先輩はクラウンの影から一歩も動かず、私が波打ち際で立ち止まるのをじっと見つめている。 逃げようと思えば、このまま雑踏に紛れることもできる。けれど、私の足は、見えない鎖で先輩の元へと繋がれていた。
海を望む、プライベートプール付きのヴィラ。 夕食は、先輩が自ら捌いた**『あんこうのどぶ汁』**。
食: あん肝を煎りつけ、水を一切使わず野菜の水分だけで煮込んだ、究極に濃厚な鍋。
シーン: 部屋中に広がる、濃厚で、どこか官能的なあん肝の香り。 「……あんこうはな、捨てるところがないんだ。皮も、エラも、肝も。……お前も同じだ。俺が、一滴も残さず、全部味わい尽くしてやる」
食事を終えるなり、先輩は私の手首を掴み、テラスにあるジャグジーへと連れ出した。 「……まだ、潮の匂いがするな。……洗い流してやる」 夜の海の咆哮が響く中、泡立つお湯の中で、先輩の激しい愛撫が始まる。 「……あ、聖司、さん……っ」 「……声を出せ。波の音に消されないくらい、俺の名前を呼べ」
バリで「グロく」なっていた場所は、今や先輩の執拗な「手入れ」によって、以前よりも敏感に、そして彼の愛撫なしではいられない体へと作り替えられていた。 冷たい海風と、熱いお湯。 相反する刺激の中で、私は先輩という名の巨大な波に、何度も、何度も飲み込まれていった。
翌朝。 窓の外には、水平線から昇る真っ赤な太陽。 「……さて。茨城もコンプリートだ。……次は、千葉を回って、一気に伊豆へ向かうぞ」 「……はい。……どこまでも、ついていきます」
ブラック・クラウンのエンジンが、静かに、けれど力強く目覚める。 二人のバカンスは、もはや「休息」ではなく、互いを食らい尽くすための「儀式」へと昇華していた。
る る あ ︵ ︵ 🌈🍑
かんすい