「なによこれ、、、」
「えっと、、、これが秋の精霊か?」
「はい、そうなんですけど、、、」
3人とも黙ってしまう。でも、正直 こんなことになっているとは誰も思っていなかった。
「溶かしてあげなきゃ、、、炎」
私の手から出た赤い炎がジリジリと氷を溶かし、洞窟内は熱を帯びる。
「なんでこんなことになってるんだよ」
「それは僕が聞きたいよー!助けてくれてありがとなの!」
氷から出てきた秋の精霊が身震いしながら口を開く。
「なんでこんなことになってんのよ、あんた」
「事件は一週間前、僕がここでゴロゴロしてた時に起こったの!」
ふわふわ浮きながら秋の精霊、紅葉楽が話す。
「なんか寒いなと思って洞窟の外に出てみたら、びっくり仰天!女の子が僕に、『命令だから許して頂戴』って言って、蒼い閃光をぶつけて来たなの!」
くるくると周りを回りながら説明される。
「どんな見た目の子?」
「白い綺麗な長い髪で、すっごく冷気を纏ってた気がする、、、」
「分かったわ、ありがとう。じゃあ気をつけてね」
「すっごくありがとなの〜!!!」
洞窟の外に出た後、雲竜が口を開く。
「あいつをその女が襲ったってことか?」
「まぁ、多分?」
正直よく分からなかったけど。
「特徴がまんま雪さまなんですけど、、、」
「心当たりあるのよね、その女に。」
「誰だ?」
首を傾げる2人に順を追って説明する。
「うちの神社のライバルだった冬斬神社の巫女、冬斬冴って奴。いちいち張り合ってくるのがウザかったわ。」
「本当にあってんのか?そいつで。」
「合ってるわよ。冬斬神社は冬の神を祀ってるから、犯人が冬の精霊ならまず間違いないわ。」
「ならその人のところに行きましょう!」
凛が早速歩き出す。
「ちょっと待ってよ。冴の場所なんて知らないわよ。」
「なら冬の精霊のところに行けばいいだろ。つまりは冬の精霊に命令されて襲いにきたんだろ?」
雲竜と凛が首を傾げる。
「本気?死氷の洞窟なんて行きたくないわよ!」
死氷とは、冬の魔力が込められた氷のこと。触るだけで皮膚が凍り、コアに触れれば町一つ消えると言われている。
「しひょうのどうくつ?なんだよそれ。」
「冬の精霊の住処よ。死氷が張り巡らされていて、入ったら生きては戻れないと言われているのよ。実際、洞窟の奥には死体が横たわっているという噂もあるわ。」
「それ最悪ですね。でも、、、夏が戻ってこないと、どっちみち凍傷で死にますね。」
「雲竜はスーツだし、私は巫女装束だからまだいいけど凛は寒そうだものね。」
実際、足と二の腕が出ている凛はとても寒そうだ。
「私はまぁなんとかしますよ。行きましょう!冬紋はすぐそこです!」
「そうだな、行くぞー!!」
「あぁ、もう!行ってやるわよ!もぉぉー!!」
そうして一行は冬紋へ、ひいては死氷の洞窟へと向かったのだった。
みなさんこんにちは!作者です!。
この前今までの話を見返していたら、とても見にくいことに気づいたので、今回は書き方を変えてみました!
何かアドバイスや意見等有ればコメントで教えてくださると幸いです。
拙い文章ですが、これからも『お祓い大作戦』をよろしくお願いします!。