TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する




「卒業、おめでとう」

「おめでとう」

「ほんっとーに、おめでとう」

「……っ、ありがとう」


 満面の笑顔を咲かせている彼女達に向けて、私は頬を涙で濡らすと不器用な笑顔を見せた。



 ──今日は、私の卒業式。

 これは、皆んなが私の為に用意してくれたサプライズらしい。


「今までお疲れ様」

「向こうに行っても、一人で頑張ってね」

「大丈夫、怖くないって。私達が見守ってるから」

「う、うん……」


 ”怖い”なんて感情は、とっくの昔にどこかに捨ててきた。今の私にあるのは、安堵からくる安らぎ。

 やっとここから卒業できるのだ。


 痣だらけの自分の腕をそっと抱きしめると、私はその解放感から薄っすらと微笑んだ。


「それじゃ、バイバイ」


 悪魔のような笑顔を向ける彼女達に背を向けると、私は立っていた屋上からトンッと軽く飛び跳ねた。

 悲しいのか、嬉しいのか、よくわからない感情の涙が、風に乗って空へと消えてゆく。



 ──今日は、私の卒業式。





【解説】

卒業式とは、学校の卒業式という意味ではなくイジメという地獄からの解放という意味。

イタズラに人の命を弄ぶイジメという行為。それはまさに、悪魔のような所業。絶対に辞めましょうね。

意味がわかると怖い話し

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

71

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚