テラーノベル
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すとぷり学園の片隅にある、使われていない旧校舎の音楽室。
そこが、彼らのすべての始まりの場所でした。
「はぁ……。
やっぱり、一人じゃ何もできないのかな」
莉犬は放課後の夕暮れの中、一人でマイクを握りしめてうつむいていました。
歌うことが大好きで、自分の声を誰かに届けたい。
けれど、周囲の目を気にして、一歩を踏み出す勇気が持てずにいました。
ガラッ。
突然、音楽室のドアが勢いよく開きました。
「見〜つけた!君、さっき誰もいないと思ってめちゃくちゃ良い声で歌ってたでしょ!」
入ってきたのは、生徒会、下っ端のころんでした。
その隣には、ノートを抱えた副会長のるぅともいます。
「えっ!?あ、いや、これは……!」
恥ずかしさで顔を真っ赤にする莉犬に、ころんはニカッと笑いかけました。
「隠さなくていいって!
僕さ、学園のみんなをあっと驚かせるような、最高のエンターテインメントをやりたいんだよね。君のその声、絶対に必要!」
「僕も莉犬くんの声、すごく 素敵だと思います」
るぅとがノートを開いて見せました。
そこには、まだ未完成の、だけどキラキラしたメロディの楽譜が書かれていました。
「僕が作ったこの曲、莉犬くんに歌ってほしいんです」
「俺が……歌う……?」
莉犬の瞳に、小さな光が灯りました。
「おいおい、何面白そうなこと企んでんだよ」
ひょっこりドアの隙間から顔を出したのは、学園の有名人、さとみでした。
「お前らが新しいこと始めるなら、俺も一枚噛ませろよ。
退屈な学園生活なんて、俺たちがひっくり返してやろうぜ」
莉犬、ころん、るぅと、さとみ。それぞれ違う悩みや、違う強みを持った4人が、夕暮れの音楽室でカチリと噛み合った瞬間でした。
「グループ名は……そうだなぁ。
イチゴみたいに甘くて、プリンスみたいにみんなにかっこいいグループ!」
ころんの思いつきに、みんながクスッと笑います。
「いいね、それ。『すとろべりーぷりんす』
……略して、すとぷりだ!」
それから毎日、放課後の旧校舎には彼らの声が響き渡りました。
るぅとが曲を書き、莉犬が歌い、ころんがステージの構成を練り、さとみがみんなを引っ張る。
時には意見がぶつかって、遅くまで話し合うこともありました。
けれど、4人の目指す場所は同じでした。
そして迎えた、学園祭の当日。
体育館のステージ裏で、莉犬の手は小刻みに震えていました。
「どうしよう……
みんな、俺たちのこと受け入れてくれるかな……」
その手を、ころんがポンと叩きました。
「弱気になんなって!
僕たちがどれだけ練習してきたと思ってんの?」
「そうですよ。
僕たちの音楽は、絶対にみんなを笑顔にできます」
るぅとが自信に満ちた笑顔を浮かべます。
「莉犬、お前の後ろには俺たちがいる。思いっきり楽しんでこい!」
さとみが莉犬の背中を力強く押しました。
「ーーみんな、ありがとう。よし、いこう!」
幕が上がります。
まばゆい照明の向こうには、大勢の生徒たちの姿。
莉犬が息を吸い、最初のフレーズを歌い出した瞬間、体育館の空気が変わりました。
続けてころんの元気な声、るぅとの優しいメロディ、さとみの力強いフレーズが重なり合います。
最初は戸惑っていた生徒たちも、次第に手拍子を始め、やがて体育館全体が大きな歓声に包まれていきました。
ステージの上で、4人はお互いを見て、最高の笑顔を交わしました。
「ここが、俺たちの始まりの場所だーー」
歓声の中で、莉犬は確信していました。
この4人なら、もっと遠い未来へ、もっと大きなステージへ行ける。
すとぷりの物語は、今ここから、鮮やかに動き出したのでした。
コメント
1件
いやー、読んだ読んだ!第1話からすでに胸熱だわ🔥 夕暮れの音楽室で、一人悩んでた莉犬が、ころんやるぅと、さとみと出会って「すとぷり」が生まれる瞬間、めっちゃグッときた。 それぞれ違う個性なのに、「みんなを笑顔にしたい」ってひとつの方向に向かってく感じが青春すぎる。学園祭のステージで最初のフレーズ歌った瞬間の空気の変わり方、こっちまで鳥肌立ったよ! この4人ならもっと遠くへ行けるって確信できる、最高のスタート話だったわ。次、いつ読める?待ちきれない!
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にな.@旅行中
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