テラーノベル
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#大人ロマンス
初めて男の人から贈られたネックレス、しかも想いを通わせた人からアクセサリーを着けてもらった美花は、鼓動を弾ませながらも、羞恥で俯いてしまう。
同時に、嬉しさを滲ませつつ、彼は一体何者なのだろう? と、現実に目を向けようとする自分がいた。
最初に連れて行ってくれた、ハイクラスブランドのジュエリーショップ。
ちょっとしたジュエリーでも、十万以上するものばかり。
DTM事業部の課長が、飄々としながら高級な店で購入できるものなのか、と彼女の中で疑問が湧き上がる。
彼の事を、もっと聞いてもいいのだろうか?
美花は、オドオドしながらも、静かに口を開き始める。
***
「圭ちゃん。こんな事を聞くのも気が引けるんだけど……」
「ん? どうした?」
屈託のない眼差しを彼に向けられ、美花は言葉を呑み込もうとしたけど、思いを定める。
「圭ちゃんって…………一体何者……なの?」
「…………いきなり、どうしたんだ?」
「だって…………さっき、いきなりハイクラスブランドのジュエリーショップに連れて行ってくれたでしょ? こんな事を言ったら、圭ちゃんの気を悪くしちゃうと思うけど…………」
ほんの少しの間を置いた美花が、おぼつかない様子で口を衝く。
「あんな高級なお店に…………平然と入っていったし、それに、圭ちゃんの自宅も……立川の駅前周辺でしょ? 課長さんにしては、すごい経済力だなって…………思ったんだよね……」
美花の問い掛けに、圭は表情を消しつつ、眉目秀麗の顔を背けた。
ひとしきり、二人の間に流れる空気が重苦しさを増していき、辺りが静寂に覆われる。
「…………俺と怜は、ハヤマ ミュージカルインストゥルメンツの社長の息子だ」
固く閉ざされていた唇を震わせながら、言いにくそうにしている彼。
「って事は…………圭ちゃん、いずれ、会社の後を継ぐって事?」
美花のさらなる質問に、隣で圭が、息を詰まらせた音を漏らしたような気がした。
「…………」
口元を引き結んでしまった彼が、短く吐息を吐き切ると、倉庫が立ち並ぶ景色を見やっている。
「…………社長の息子だからって、そのまま俺や怜が、次期社長になるとは限らない。俺よりも有能な人材は、いくらでもいるからな……」
「…………」
どこか苦渋な圭の面持ちに、美花は、これ以上立ち入る事はできないと感じ、言葉を嚥下するしかなかった。
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