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「でもそれには見返りが必要だろう。俺を国王にするためにはとてつもない労力を必要とするはずだ。」
彼はそう俺に尋ねてくる。そう、取引には見返りが必要だ。俺の場合、彼に求めるのは…
「アルヴィアンの自治権の強化を取り付ければそれで十分ですよ。アルヴィアンは税金の支払いを少しだけ増やす代わりに、内政における王国からの独立をしたいというのが俺の本音ですよ。」
「もし俺が断ったら?」
彼は少し勇気を振り絞ってそう質問してくる。
「残念ながらカルム王子はそのような政治的駆け引きが得意な人間ではないですからね。それに誰かからの好意に対してお返しをしないと、どことなく嫌な気分に見舞われるのでは?カルム王子は約束を違えることがない人間だと認識していますよ。」
俺は力強く宣言する。もっともそれは彼を少し困惑させたらしい。
「そうかもな。ジョー・アルヴィアン、君の、その、つまり…」
「率直さ、または無礼さでしょうかね。これを好ましいとみなす人間もそうでない人間も。忠告しておきます。俺は無遠慮な言い回しをしたり、場合によっては倫理的とは言えない施策をとることを選ぶかもしれません。さてと、どうしましょうか、俺と協力してこの国の形を大きく変えますか?それともお互いに単なる王子と侯爵で人生を終わらせますか?」
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