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その名前に私だけではなく、目の前の麻美も驚きを隠せないといった感じで私に目配せしてきた。
私はやや身を潜める感じで辺りを警戒しつつ、何度も何度も頷いて見せた。
“あずさ”なんて珍しい名前ではない。
でも私の周りには彼女以外“あずさ”は居ない。
話のタイミング的にもあまりにもドンピシャで、ついつい過剰に反応してしまったのだ。
「まさかね……」
麻美がそんなはずはないでしょとばかりに軽く笑った。
「だよね……」
そもそも森田さんは毎日、浩太にアパートまで送ってもらっているのだから、こんな時間にこんな場所に居るはずがない。
今、彼女の名前を呼んだのが浩太なら、それもありうるのかもしれないけど、あの声は浩太ではなかった。
それなら森田さんであるはずがないのだ。
でも……
「ちょっと声大きすぎ。恥ずかしいじゃない」
そう恥ずかしそうに返した声は紛れもなく、森田さんの声に違い*********
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