≪サイド:律≫
 情けないが、シたくなってきた。
 女の子と二人きりで、くっついて、いい匂いがしてきたら仕方ないだろう。
 俺は冷静になるために、腕を伸ばしてローテーブルの上のリモコンを取った。
「映画、もうすぐ終わるし変えるぞ」
「まだ終わっていないのに変えるの?」
「うん。何となく」
「今のままでいいわ」
 緋咲が抱き着いてきて、バランスを崩した。
 反動でリモコンのボタンを押してしまった。画面が切り替わり、大画面に絡み合う男女が映し出されて嬌声が響いた。
 AVだ。
 この状況で、最悪だ。
 俺が固まると、緋咲は俺の膝に跨ってきた。
「律」
「AVにしちゃったのはワザとじゃなくて……」
 しどろもどろになっている俺をよそに、スピーカーからアンアン喘ぎ声がし****************
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