雨が降って必死に走って、いつものコインランドリーにいる人物が涼だと分かったとき、私がどれだけ安堵したかきっと涼は知らない。
手を伸ばして、私を捕まえるように抱きしめて「もう会えないかと思った」と呟く涼の声に切なく胸が痛んだことも。洗ったばかりのタオルで私の濡れた髪を拭いてくれたとき、その優しさにじんわりと身体が温かくなったことも。
”会いたくて雨を降らせてと願った”と話す少しぎこちない笑顔に、心臓の音がいつもより大きく鳴った私の胸の内なんて涼は知らないままでいい。私が伝えたいことはひとつだけ。私も雨をずっと待っていた。涼に会いたかった。それだけだ。
その言葉が口をついて出たとき、頭に被さっていたタオルを涼がグイっと自分の方向へ引き寄せる。
「りょ――」
視界いっぱいに涼の顔。時間の流れがゆっくりになったような感覚の視界の中、私を見つめていた瞳が閉じて鼻先が当た*************
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