テラーノベル
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皆さんこんにちは。芽花林檎です。長く期間が空いてしまって申し訳ありませんでした。
新作です。楽しんでいってください。フォロー、その他もろもろ歓迎しております。では、どうぞ。
冬の朝だった。
東の空では上り始めた太陽が濃紺の空を溶かしていた。
光りは少しずつ街を満たしていく。
屋根の上にも。
煙突から立ち上る白い煙にも。
まだ人影の少ない石畳にも。
世界はゆっくりと色を取り戻していく。
暖樹(はるき)は布団の中で目を開いた。
眩しい。
冬の空気が頬を刺す。
「寒っ……..」
暖樹は思わず頭の上まで布団を引き上げた。
しかし、数秒後、諦めたように起き上がった。
学校……
それに、今日は母に頼まれた買い物もある。市場まで行かなければならない。
そう思って、冷たい床に足を付けた。
部屋を出ると、朝食の香りが漂ってくる。
焼き立てのパンの芳しい小麦の香り。
あたたかなスープの香り。
それだけで少し幸せな気分になった。
「おはよう」
「おはよう」
母が振り返って笑った。
父は新聞に没頭している。
いつもの朝。
特別なことは何もない。
でも、暖樹はこの時間が好きだった。
窓の外では、橙色の空が少しずつ淡い水色に変わり始めている。
その変化に気づくこともなく、暖樹は家族との他愛ない会話に耳を傾けた。
学校へ向かう頃には、空はすっかり冬の寒さを取り戻していた。
風が冷たい。
息が白い。
それでもどこにも朝の街には明るさがあった。
グラウンドに雪が積もっていた。
銀景色。
美しかった。
雪の白さが、陽光の淡い光を跳ね返し、宝石のように輝いている。
暖樹は昇降口を入り、そのまま階段を昇って行った。
教室の扉を開くと、いつもの騒がしさが暖樹を迎えた。
「お、暖樹じゃーん!!」
窓際の席から声が飛ぶ。
同じクラスの友人だった。
「おはよう」
「昨日の課題やった?あの、鬼教師の大量の。」
「やったよ」
「うわっ、偉すぎるでしょ……」
そんなやり取りに暖樹は思わず笑ってしまう。
席に着くと、周囲ではそれぞれ会話が始まった。
部活。
テスト。
週末の予定。
誰かが笑い、誰かが突っ込みを入れる。
ごく普通の朝だった。
「そういえばさ」
友人が椅子を後ろ向きにして暖樹に話しかける。
「今度うちの親父が出張でさ」
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「ああ、前言ってたやつ?」
「そうそう、だから妹がめちゃくちゃ寂しがってんの」
「仲いいんだね」
「まあな」
友人は少し照れ臭そうに笑った。
暖樹もつられて笑う。
家族の話など珍しくもない。
誰も特別な話だとは思っていない。
ただそこにある。
空気のように自然に。
窓の外を見上げると……
そこには、冬の瑠璃色の空がどこまでも高く広がっていた……….
今回はここまでです。ありがとうございました。次もお楽しみに。
コメント等大歓迎です!していただけるとありがたいです!!
2026/07/28 芽花林檎
コメント
1件
はる。です!新作読みましたよ〜。冬の朝の空気感がすごく丁寧に描かれてて、読んでるこっちまで窓際で陽の光を浴びてる気分になりました。特に「雪の白さが宝石のように輝いている」って表現、めっちゃ綺麗で好きです。暖樹くんの日常の温かさがじんわり伝わってくる、すごく優しい始まり方ですね。今後の展開が楽しみです🔥