「たぶん、あの微笑を見た時から心は決まっていたんでしょう」
総一朗の声が、脳裏にこびりついて離れない。
来る夜、来る夜、目を閉じても、耳を塞いでも、消えていかない。
嬉しいのに、
どうしようもなく嬉しいのに、
どうしてか逃げ出したくなる。
私の心の奥底では、私でも気づいていないような臆病さが、核に絡みついて蔦でも張っているのだろうか。
「……い、……おいって、……瑞希!」
自身の内に潜り込んでいた私は、彼の声に弾かれたように顔を上げた。
「はいっ」
驚きに目を瞠ったまま彼を見つめると、眼前の彼が目を細めた。
「はい、じゃなくて。聞いてたか? 俺の話」
「ご、ごめん、何……」
彼の様子から察するに、ずっと話しかけられていたらしい。
しかし、私には昼時に訪れた店で、ラーメンを注文してからの記憶がない。
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