暖簾をくぐり、店の扉を開けた。
ガララ、と響く音を立てた客を迎えるように、馴染みの店長が厨房から顔を覗かせる。
「いらっしゃい、村尾君」
「こんばんは」
一陣が去った後なのか、カウンターに客はいない。
俺はいつもの席を引き、脱いだ背広を隣の椅子に掛ける。
「とりあえず、生で」
「はいよ」
請け負った店長がすぐにジョッキを手にして、サーバーの前に立つ。
黄金色が煌き、仕上げに純白を乗せる。
惚れ惚れするような美しい比率を生み出した店長が、カウンターにジョッキを置いた。
「はい、お待たせ」
「どうも」
手をくぐらせ、躊躇いなく傾けた。
「え」
驚く店長の前で、俺は一気に飲み干す。
タンッ、と置いたそれを見て、目を丸くしている。
「ど、どうしたの……何かあった?」
「まあ……ありましたよね」
何か、が********
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