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僕は毎日のように、
呼吸するように、
嘘をつく。
気づいたら嘘を吐いてて。
時間が経てば本当だと思い込んで。
どれが嘘でどれが本当なのかは自分でも分からなくて。
そんな僕は今、
真っ白な世界で自分で吐いた『嘘』を浴びていた。
真っ白な世界で僕が突っ立っていて。
しかも僕は傘を差していて。
その瞬間、『嘘』が降ってきた。
『新しいゲームを母さんが買ってくれたんだ』
『今日、テストで高得点をとったよ』
『僕の母さんはいつも優しい』
『僕は母さんを愛してる』
『あ、分かる。美味しいよねそれ』
『_____』
どれが本当?
どれが嘘?
” いつも通りでいなくちゃ “ に縛られて。
初めて笑顔を作った日を思い出す言葉が降ってくる。
最初はぎこちなくて、よく分からなかった。
けど、
今じゃ、
もう…
『嘘』と同じで本当の笑顔なのか嘘の笑顔なのかよく分からなくて。
「母さんは僕を愛してる」
「僕は今、幸せ」
「友達と一緒に居るのが大好きだ」
そう呟くも、
全部言い聞かせているように思えてきて。
それでも僕は嘘をつくのを辞めなかった。
いや、もう止められなかったんだ。
辞めたいと思っても辞められない。
僕にとって『嘘』は生きるために大切なもの。
これを亡くすのは僕自身のアイデンティティを無くすのと同じことだ。
傘に降り注ぐ『嘘』
傘を差すのを辞めて、浴びる『嘘』
途端に視界は暗くなって、
真っ白だった世界が闇へと染まる。
傘を差して、しゃがんで。
自分自身を傘に隠して。
『誰も居ない』と『嘘』をついて。
今日もまた
『嘘』を吐き、
『嘘』を防ぎ、
『嘘』を浴び、
『嘘』に染まる。
あぁ、なんて最悪な人生なのだろうか。
でも『嘘』に染まった今、
僕は何に染まることを望めばいいのか。