テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「そ、それで、いいニュースってなんですの?」
私はパーソンに問う。
「…あの三人組が退学になりました。」
「えっ!?」
私は椅子から立ち上がって目を丸くした。
「ほ、本当?」
「本当です。きっと罰が当たったんですよ!」
「よ、よかった…。」
「ですから、マリー様。」
パーソンは微笑みながら言った。
「一緒に高校に行きましょう。」
私は目を丸くした。そして私は俯きながら考える。
(三人組はいなくなったけど、クラスのみんながまた私のことをへんな目で見てくるかもしれない。)
私は少し時間を空けて言った。
「わかった。行きましょう。」
「…っやったぁぁぁ!!!」
パーソンは椅子から立ち上がって喜んだ。
「それでは、明日の七時半に。」
そう言って、パーソンは帰っていった。翌日の七時半、パーソンが家のベルを鳴らした。
「では、行って参ります。お父様。」
「あぁ、行ってらっしゃい。」
父は微笑んで手を振った。
「行きましょう、マリー様。」
パーソンが私に手を差しのべる。私はパーソンに引かれながら高校に向かった。
「久々の高校、緊張しますわ。」
「大丈夫ですよ。きっと…。」
パーソンは笑顔で言った。でもその笑顔には、いつもの笑顔とは違う悲しさが隠れていた。教室に入ると、三人組の席に人が座っていなかった。
「マリー様っ。」
振り返ると、そこには一人の生徒が少し下を向きながら立っていた。
「ど、どうかしたのですか?」
「そ、その…、今まですみませんでしたっ!」
一人の生徒が頭を深く下げた。その時、クラスのみんなが私に向かって頭を深く下げ始めた。
「み、皆様、顔を上げてください!」
私は戸惑いながら言った。
「た、確かに、あの時すごく傷つきました。でも、心の中で自分の間違いに気づいてくれただけで私はすごく嬉しいです。 」
もちろん、そんなことはあまり思ってない。私の高校生活を台無しにしたのだから。だが、許さないと言ったら、またいじめられるに違いないと思ったのだ。
「だから皆様、これから、仲良くしていきましょう。」
「マリー様っ…、ありがとうございます。」
時が経て放課後になった。そろそろ帰ろうと思っていたその時だった。
「マリー様、少し屋上に行きませんか。」
パーソンが私の肩を叩いて言った。私は微笑みながら縦に頷いた。久々の屋上。嫌な記憶が頭を過る。
(もう、あんなことは起きないんだ。)
私はそう思って、屋上のドアを開けた。そこには綺麗な夕日と二度と会いたくなかった人が笑顔で立っていた。
ー続くー
ご視聴いただきありがとうございました。