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米国との会話が終わり、寮への帰り道、後ろに誰かがついているのか分かった。
気味が悪くて、俺は早歩きをして帰った。
???「おい、待て。私だ。」
聞き覚えのある声に足が止まった。
先輩だ。
☀︎「先輩….?」
卍「ああ、私だ。こんな遅くに何しに行っていた?」
連合とあの話をしていただなんて切腹してでも言えない。
☀︎「少し..散歩を。」
卍「….そうか、」
疑わないんだな、と思った。俺が何をしようともこの人はきっと、何も言わない。
少し安心したような、寂しかったような、そんな感覚がした。
それも束の間、一気にひっくり返された。
卍「….なぁ、日帝。」
☀︎「なんでしょう?」
卍「行ってしまうのか?そちらに。」
☀︎「….え?」
やはり気にかけていたか、まずいと思ってしまった。
卍「行くんだろう?」
☀︎「ぁ..いや、そんな事は….」
まただ、また一つ嘘をついた。
もう俺は、自分の事しか考えられないみたいだ。
戦況が悪くなってから薄々思っていた。
俺は間違えたんだと。
味方にする相手を間違えた。
そうだ。きっと。
卍「そんなにアイツらがいいのか?」
皆、同じ事を言っていたな。
俺はもう仲間を作る気はなかった。
そもそも、大東亜共栄圏を作るにあたって、まず一つの目的は
“欧米からの支配から解放する”事だ。
欧米に仲間もそれもありゃしない。
負けてしまったら意味がない。
この為に此処まで犠牲を払ってきたんだ。
☀︎「…..いいえ、」
此処に来て俺はまた一つ嘘をついた。
卍「良かった、」
寮についても、安心する事はできなかった。
何をしてても、先輩がずっと俺のことを見ている。
怪しまれているのだろうか。
卍「日帝、この後も何かするのか?」
普段しない仕事見れば、こう話してくる。
☀︎「いえ、部屋の片付けだけして寝ますよ。」
卍「そうか…、ならいいのだが。」
☀︎「どうかしましたか、?」
卍「いや…..」
先輩も隠し事をしているのだろうか、曖昧な返事をして。
そのまま自室に戻ろうとした瞬間、後ろから抱き締められた。
☀︎「..ッ !? せ、先輩、何して…」
卍「行くな、行かないでくれ。」
ああ、俺は一体どうすれば良いのだろう。
必要とされていたか?此れは必要されているからするものか?
卍「日帝、私と同盟を組まないか?」
貴方が初めての理解者だっただろうか。
世界で誰よりも強かった貴方は、俺を認めてくれた。
嬉しかった。
でも俺はそれだけじゃ足りなかったんだろう。
情けない。
☀︎「そんなに、私が大事ですか?」
卍「….え?」
☀︎「貴方には、イタリアがいるではないですか。」
卍「いや、お前も大切な同盟国だ。」
あんなひょっとした事が此処まで膨らむなんて。
先輩の返事を出来ずに、手を握り返すことさえ俺はしなかった。