どこか遠慮がちに差し出された猪口に、私は恭しく両手を添えて徳利を傾けた。
白く濁った純米酒が、墨色の陶器を覆い隠してゆく。
その様子を一緒に見つめていると、注がれた酒に笑みを深くした吉沢が顔を上げた。
「そんなに気を遣わなくてもいいんですよ?」
「いやもう本当……その節は、ご迷惑をおかけしまして……」
先日に吉沢と交わした会話を思い起こせば、申し訳なさと恥ずかしさが綯い交ぜになって、背が丸くなる。
仔細を語るには少々、口が重たいので、その代わりにと、私はまだ一ミリも減っていない猪口に、追加の酒を注いだ。
それを見て、吉沢が諦めたように受け入れて、くいっと一気に飲み下す。
「病に効く薬は見つかりましたか?」
問われて、一瞬、言葉を詰まらせたが、それには素直に答えることを決めた。
「……はい」
軽く顎を引いて頷くと、吉沢***************************
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