TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する


純に抱きしめられ、想いを告白された恵菜。


彼の心地いい体温にくるまれながら、彼女は目を見張る事しかできない。


昨年のクリスマス。


立川駅前で、純と思い切りぶつかって以来、密やかに恋心を温めてきた恵菜は、嬉しい気持ちで満ちていた。


(返事…………して……いい…………のかな……)


彼女は勁(つよ)い腕の中で、しばしの間、考える。


「もっと言えば………」


斜め上から降ってきた穏やかな純の声音で、恵菜は回想の海から引き上げられた。




「恵菜さんと初めて会った時に…………俺は……君に一目惚れして…………ずっと……忘れられなくて…………。部下の本橋から、君は人妻だと聞かされた時、ショックだったけど…………それでも君を…………忘れられなかった……」


年齢よりも若々しく見える純が、今は『男としての表情』を映し出し、熱を帯びた視線に貫かれている恵菜は、胸が締めつけられるほど摘まれている。


「恵菜さんに離婚歴があって、元ダンナから復縁を迫られていると知って…………俺は…………君を守りたい、守り続けたいって……思った…………」


誠実な彼の眼差しから、恵菜は目を逸せない。


純の瞳に吸い込まれてしまうのではないか、と感じるほどの視線の強さに、彼女は目眩がしそうになってしまう。


「恵菜さんと会っていくうちに…………俺は…………君に……恋焦がれていった。君を守り、癒せるのは…………俺しかいないって……」


彼の気持ちは、恵菜が思っていた以上に、彼女への想いで溢れていた。


こんなに男性から想われるのは、きっと純が最初で最後なのかもしれない。


「恵菜さん。俺の彼女に…………なって欲しい」


以前、彼が多くの女性たちと遊んでいたとは思えないほどの、真摯な告白。


純と眼差しを縺れさせながら、恵菜は気付くと頬を濡らしていた。


「谷岡さ……ん…………わた……し……」


彼の名を呼び掛けるだけでも、声が掠れ、震えてしまう。


恵菜は、唇をうっすらと開き、迷うように唇を引き結ぶ。


何度かこの仕草を繰り返した後、やがて彼女は、美麗な顔に浮かぶ花弁を、ゆっくりと開花させた。

Caro mio ben 〜俺と恋を始めよう

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

51

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚