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アタシは林の中で目を覚ました。あたりを見回すと、木の間から校舎が見えている。どうやらここは学校のようだ。かすかに子どもの声が聞こえてくるから、小学校かも知れない。
さっきみんなには読めなかった文字、あれはアタシには「子どもと……」、ううん、ちょっと思い出すのが恥かしいな。でも、あの指示に従うために飛ばされたのなら、ここはやはり小学校なんだろう。
とりあえず立ってみる。しかし周りにあるのは草ばかりで何もない。とにかく、ここを出てみよう。アタシは歩き始めた。しばらく歩くと、グラウンドに出た。サッカーをしている子どもたちがいる。アタシに気づいている様子はない。うーん、どうしたものか。
悩んでいると、ひとりで遊んでいた男の子が、後者の裏手に入っていくのが見えた。これはチャンスかも。そう思ってアタシも後を追うことにした。男の子が入った方に行って、近づいて話しかけてみる。
「ねえキミ、名前は?」
「えっ?」
「名前だよ、な・ま・え!お姉ちゃんに教えてくれる?」
「……ゆ、ゆうすけ」
ゆうすけくんね。かわいいじゃん。
「ねえゆうちゃん、ちょっと遊びたいんだけど、付き合ってくれるかな?」
「えー、なんで?」
「いーじゃん、お願い!」
「うん……じゃあ、いいよ」
よしよし。なんとかうまくいったみたい。アタシはゆうちゃんの手を引いて、校庭の隅まで連れていった。
「それで、何して遊ぶの?」
「んー、そうだなぁ、あっ、鬼ごっことか!」
「いいよ!」
こうしてアタシたちは、しばらくの間、二人で追いかけっこをして遊んだ。
「ハァッ……、つかれたぁ……」
「もう疲れたの?まだはじめたばっかりなのに」
「だってぇ、足速いんだもん」
「でも、そろそろいいんじゃない?なんか汗かいてきちゃったし」
「うん……わかったよ」
この流れはチャンスかも。
「ふう、暑いね。こんなに汗かいちゃった」
と言ってアタシは上着を脱いだ。ついでにシャツのボタンもめいっぱい外し、胸元を大きく開ける。んー、おっさんならこれで誘えるんだけどな。小学生相手だとどうすればいいんだろ? とりあえず……
「ねぇ、これで汗ふいてくれる?」
といってハンカチを渡した。
「う、うん」
と少し戸惑いながらも受け取ってくれた。よし、いけるかも。現実なら、アウトだよね。でも、ここはきっと幻の世界。思い切っていっちゃお!