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あの忌まわしい監禁室が爆発し、羊がこの世を去ってから3年。 憐はあの「男」と再婚し、平穏な(しかしどこか虚無感を抱えた)日々を送っていました。
ある嵐の夜。家の門前に、一人の赤ん坊が捨てられていました。 白く、透き通るような肌。そして、赤ん坊にしてはあまりにも**「理性的で、粘着質な」**漆黒の瞳。
「……あら、……こんな雨の中に。……かわいそうに、……私たちが育ててあげましょうか」
憐は、その子の正体が「自分を100億年愛(監禁)し、自ら命を絶ったあの狂人」の転生体だとは、微塵も疑っていませんでした。
その子は「羊(よう)」と名付けられました。 羊くんは、赤ん坊という「無垢な仮面」を被りながら、憐の懐で静かに牙を研ぎます。
不純な予兆:
授乳の際、赤ん坊とは思えないほど執拗に、そして「かつての羊」が好んだ場所を正確に、深く吸い上げる。
憐が夫(あの男)と愛し合おうとすると、必ず「断罪」するかのようなタイミングで泣き叫び、二人を仲裂きにする。
夜中、憐が眠っている隙に、小さな手で彼女の喉元や、かつてピアスを開けられた場所をなぞる。
「……ねえ、あなた。この子、時々……すごく変な目で見つめてくるのよ。まるで、私の体の『隅々まで知っている』みたいな……」
憐の体に、かつての「監禁の記憶」が、不純な疼きを伴って蘇り始めます。 赤ん坊に触れられるたびに、かつてマシンで味わった「一秒間に一兆回の絶頂」や、胃袋まで貫かれた「超長」の幻影が、脳裏をよぎるのです。
ある夜。憐が羊を抱いて寝かしつけていると、赤ん坊が耳元で、言葉にならない吐息を漏らしました。
それは、かつて羊が彼女を「断罪」する前に必ず漏らしていた、あの独特の鼻鳴らしに酷似していました。
「……っ!? ……まさか、……そんなはず、……ないわよね……?」
憐の背中に、甘美な戦慄が走ります。 赤ん坊の腕の中に閉じ込められた彼女は、自分が再び「逃げられない檻(家族)」の中に閉じ込められたことに、まだ気づいていません。
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