テラーノベル
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[3918年4月9日12時20分/3号]
汚染区域、幽魂の樹木にて見知らぬ女性を確認した。彼女は仮面をつけ、大きな鎌を持った長髪の女性がこちらを見つめていた。
その黒髪が靡いてどこか見たことのあるような雰囲気を出していた。その女性はこちらに見つめるとため息をついて2号の方を向いた。
「2号、お前はこの少年のことについてなにか?」
「はぁ、トコイ…、お前はは3号のことばかり気にかけて、ちょっとは私の事も気にかけてくれます?」
2号は迷いなく剣を向けていた。一体誰なのか、その女性は何故2号に鎌を向けているのだろうか。
「3号、あの子誰か分かる?」
「わかんない」
133号も僕同様混乱していた。その女性と2号が話す距離感は知り合いのようで、でもお互いのことをいがみあっているようにも見えた。
「2号!その子は一体誰なの?」
「トコイ、…敵だ。私たちの敵。2人とも構えて。特に133号、あなたにかかってから。」
え?と混乱の声が隠しきれず133号は動揺していた。けれど慌てて剣を抜いた。133号は銃を向けたが微かに手が震えていた。
「133号はあまり無理をするな。」
2号もだ。さっきからトコイとやらを見る目が憎悪を抱いているような気がした。
「2人ともこいつは多分3号とも相性が悪い、133号も慣れてない。私がなとかするから2人は逃げ───」
「馬鹿か!!2号じゃ頼りないつっの!!」
「そ、そうだそうだ!私だって戦うことくらいでこるし!!」
2号は僕たちに逃げて欲しいと思ってるだろうが、そんなことしてる場合でもない。
観念したのか何も言わずに2号はトコイに向かって剣を振り上げる。すかさず2号の剣を防いだトコイの横を狙って剣を向けるがトコイは突然飛び上がり避けられた。
銃弾の音がなった途端トコイの腕を銃弾が掠めた。だが、痛む様子ひとつ見られない。
「2人とも、あいつを戦闘不能にさせるだけでいい、殺すことに注視すれば死ぬ!」
2号はそう言うと隙を与えないためにもまたトコイのほうへ剣を振り下ろす。3号も足元を狙って攻撃をし、トコイの足は深く切れた。
その時、トコイが反撃か2号に向かって鎌の刃先を向け腹部を貫いた。
「2号っ!!」
2号を貫いたその鎌はまだ深く刺さったままだ。3号はトコイの腕を狙ったがトコイは腕に刺さる前に2号から鎌を抜いて避けた。
2号の怪我を見るが、状態が悪い。傷口も広いし出血も多い。何か抑えるものもこの場にはない。
「大丈夫、このくらい。それより、あいつに…」
「133号!!2号の事頼む!!」
「は、はいっ!!」
133号に2号を任せるとトコイの方を見る。攻撃がいつ飛んでくるのかわからない状態。汚染区域では安易に通信を繋げるべきでは無い。
「あなたはその失敗作に気にかけてますよね?その必要は無いのに何故そうも気にかけるのです?」
「気にかけてなんてない。」
とにかく早くこいつをどうにかしないと。頭を狙うのが手っ取り早い。仮面の強度はどうかは知らないが。前頭葉を狙えば思考力を落とせるはず。
なんの合図もなしにトコイに近づき頭を狙おうと仮面を狙う。背後を取れればいいが生憎僕にはそんなことは出来ない。
3号はトコイに向かって何度も仮面を狙うが鎌で防がれる。トコイの鎌の刃先がこちらへ向かってくるのが見え、慌てて後ろに下がった。
「…不思議そうな顔してますね?私の事どこかで見た気がする。とでも言いたげですね。」
「まぁ…、そうかもね。」
小さい頃だが、研究棟でそれらしき人物を見たことが…、いや…もっと身近に…。
「それもそうでしょう?」
トコイは顔につけている仮面に手を伸ばしがその瞬間2号がトコイに向かって剣を振り下ろした。トコイは難なくその攻撃を避けて見せた。
「3号!!敵の言うことなんて聞いちゃダメ!!」
2号は何故かさっきから必死になって何かを隠そうとしている。
慌てて3号もトコイの方へ走り出す。2号はヤケクソになりながら何度もトコイに攻撃を食らわせる。
「2号!!落ち着いて!!」
「3号は私の事なんか気にしないで早くこいつをなんでもいいから戦闘不能にでも!!!」
だが2号の攻撃に隙ができてしまいトコイら2号の腹を蹴りあげる。3号はその隙を狙い、トコイに頭を狙ったが先に仮面が壊れてしまった。
「はぁ…、仮面が壊れた。最悪だ」
その顔を見て、思わず剣を落としかけた。その瞬間、トコイは僕の首を掴み力を入れる。
何も出来なかった。仮面の下にあったその顔は、2号と全く同じ容姿をしていたからだ。
[3918年4月9日12時21分/130号]
「あ…あれ…。」
肩に深く痛みが広がる。思わず地べたに尻もちをついてしまう。どうして自分に剣が刺さっているのか、どうして自分は今動けないのか。
分からなかった。
「痛い…痛…い……痛い痛い……。」
「全く、なぜそこまで脆いのだ。」
後ろに立っていたのは背丈の高い男性。だが、A素の感知が確認された途端、それが異星人だと気づいた。
慌てて剣を抜こうとするが視界がグラグラする。前をよく見れば1号と134号が剣を向けて男性を睨んでなにか向こうで話してる見たいだけどよく聞き取れない。
「130号!!動けるならさっさと動いて!!動けないならそいつに情報を渡さないためにもその心臓を破壊しなさい!!!」
1号の声でハッとした。頭がまだグラグラする。敵は、今ヘイトは多分こっちに向いてる。どうにかして切り抜けることができるのだろうか。
[閃光弾推奨]
ん?もうこう?たま?おし?ん?
[光るやつ使え]
あ、閃光弾か。てやってる場合ではなかった。慌ててポケットを探る。
「別に逃げても良い。目的はお前らを殺すことではないからな。」
130号は考えるのが面倒になり閃光弾を使い慌ててその異星人から離れる。1号と134号の所へ行き視界に入った異星人に剣を向けた。
「あいつは一体なんなの?!めんどくさいわね!!それにここはアイツらの占領区でもない。」
「考えるのは後にして!!あいつは異星人。どんな能力を持っててもおかしくない!!」
1号はイライラしているのか目つきが悪い。その異星人が1号の武器を見て感心したような顔をした。
「間近で見たが、やはりどう見ても人間じゃないか。貴様らのようなガキがなぜそんなものを持ってる。それに、その武器…。」
1号の武器は、確かにチェーンソーを丸くして棒の先端につけたみたいなイカれサイコな武器をしている。だが、今はそんなことはどうでもいい。
敵の能力や目的を考えるかとが1番大事だ。今は、こんなやつと雑談してる場合じゃない、捕縛出来れば情報が手に入る。
130号は剣を向け敵に向かって走ろうとした時異星人はその気配を感じ130号を見た。
「お前はこの姿でも殺せるか?」
訳の分からないことを言うと思った途端、彼の体がドロドロに溶けだしそれは小さくなる。やがて姿形が見覚えのある人影へと変形していく。
「ほっちゃん、私だよ?茉莉」
「…どうして!?!どうして知ってるんだ!!」
130号は剣を向ける手が緩まり剣が今にも落ちそうになっていた。
「その姿は…、133号の…茉莉の…小さい時の姿じゃないか…!!!」
異星人は喉から出るようなクククという声で笑う。幼い時の133号の姿で。姿形も声でさえただの少女でしか無かった。
剣を落としそうになった時、頭に衝撃が走る。誰かに、134号に殴られたのだ。
「何してんの?!ばっかじゃないの?!どんな姿でも敵は敵でしょ!!?」
134号はそういうと1号と一緒に、異星人の…、茉莉の方向へと走って行く。僕はただ、134号が茉莉に斬りかかる様子を、ただ呆然の眺めていた。
その刃が触れた時134号は、首を切れず茉莉の肩を斬った。血が出る。茉莉の悲痛の表情、悲痛な叫びが聞こえ、反射的に耳を塞いだ。
それは1号や134号も同じで、相手も生物だった。切られると痛いし、苦しくて悶えてしまう。それが演技であろうが、その痛みは理解している。
「助けて…ほっちゃん…。」
僕はなんで1番死んで欲しくない人の傷つく顔を眺めて何も出来ないのだろう。嫌だ嫌だ嫌だ…。
1号や134号が異星人に斬りかかるが、1つの剣によりそれは防がれることになった。130号が剣で防いだからだ。1号を蹴り上げ134号を押した。
「やめてやめてやめて!!!嫌だ嫌だ嫌だ嫌だっ!!!もうこれ以上僕から奪わないでよ!!!」
「何言ってんの?!頭おかしいくなっちゃったんじゃないの?!そいつがあんたの言う茉莉の姿になっただけでそいつは茉莉じゃないんでしょ?!」
「そいつは敵なのよ?!異星人がどれだけ私たちの仲間を殺したか忘れたの?!」
134号だって理性的すぎるよ…、1号だってただ私怨に支配されて仲間がどうとかさ…。どうでもいいよ…、そんなこと…。
異星人が再び笑い始めた。今度は憐れむような目で130号を見つめたあと深くため息をつく。
「酷い酷い…酷い記憶だ…。幸せもこうも見事に壊されりゃ、愛の形すらズレても仕方ないか。」
先程まで茉莉のような、幼いような口調だったが、声のトーンや喋り方がまるっきり変わった。
130号は地面に両膝をつき放心状態でただ異星人だけをぼーっと見つめていた。
異星人はまたクククと喉を鳴らすように笑う。再び体がドロドロに溶けだし今度は身長が高くなり姿を形成していく。その姿は130号のものだった。
「僕が彼女を好きなのは、彼女が僕をくれたからだ。僕が彼女のために死ねるのは、僕が彼女を愛しているから、僕が生きてるのも全部彼女のため。」
異星人は130号の声でそう呟く。その言葉一つ一つは、130号の本心なのか、はたまた異星人の作り話なのか。異星人は呟いた後、大きくため息をつく。
「130号とやらは動いとらんぞ?お前ら、こいつなんぞ助ける義理もあるまい」
「うるさい!!」
134号が怒鳴った。声が掠れるほど大きな声で怒鳴り、異星人を睨みつける。
「1号?!どうすんの?!130号も動かないし、このままじゃ最悪130号があいつに───」
「とにかく今は最優先にあいつを…!」
だが、2人は躊躇いからか、動く様子はなくそな手は硬く、強く握られていた。
けど、先に動いたのは1号だった。その異星人に斬りかかるが1号の足元から何かに掴まれ、足は止める他なかった。
『彼女の希望に満ちたその瞳が好きなんです。』
『彼女あの何も考えない馬鹿さが好きです。』
『彼女の時間にルーズな所が好きなんです。』
「気持ち悪い」
『彼女といるその日々は僕にとっての宝物なんです。』
『彼女との遊びは心から楽しかったから。』
『いつか自分の手で幸せにすると誓ったから。』
「僕も彼女も幸せにはなれないよ」
『ふたりで大人になったらお酒飲もうって。』
『一緒に酔っ払って馬鹿騒ぎしようって。』
『そんな事も叶えちゃくれないのか。』
「僕はずっと独りだ」
『家族すら心配なんかしないよね。』
『…心配してる訳…、ないよね…。』
「あんなに愛されてるくせに。」
「そうやって目を逸らして何がしたい。」
『…。』
『僕はただ、縺セ縺、繧�のために…
コメント
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読み終わりました……!今回はもう、心臓がギュッと掴まれるような展開でしたね。トコイの仮面の下がまさか2号と同じ顔だったとは……あの瞬間、思わず息を止めてしまいました。それと130号のエピソード、茉莉ちゃんの姿をした異星人に「ほっちゃん」って呼ばれて動けなくなる場面、すごく胸が痛かったです。あの子の過去がちらつくような語り口も、余計に切なく響きました。最後のモノローグも、独白のリズムが生々しくて好きです。続き、本当に気になります……!
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