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(参考)
なかなか翔太が帰ってこない。
💛「今日は早く帰れるって言ってたのに…」
気になって、岩本はスマホを手に取る。通話ボタンを押すと、しばらくして渡辺が出た。
💙 『…ごめん、ちょっと寄り道してる』
💛 「どこ?」
💙 『いつもの場所』
岩本はすぐに2人のお気に入りの場所だとわかった。何かあったとき、どちらともなくそこに行くのが2人の暗黙のルールみたいになっていた。
💛「待ってろ」
電話を切り、いつもの場所へ向かうと、渡辺の後ろ姿が見えた。
💛 「翔太がここにいるってことは……あんまりいい日じゃなかったってこと?」
岩本は静かに言った。渡辺はうつむいたまま、ぼそりと呟く。
💙 「……仕事でミスした」
💛 「そっか…」
それ以上は聞かない。
そばに咲いていた小さな花を摘んで、渡辺の髪にそっと挿した。
💙 「……?」
渡辺は驚いて顔を上げると、岩本はいつもと変わらない穏やかな表情でくしゃっと微笑んだ。
💛 「似合ってる」
たったそれだけ。でも、その一言が、沈んでいた気持ちをそっと持ち上げてくれる。
💙 「ふはっ、ありがとう笑」
ほんの少し、力が抜けたような優しい笑顔。
それを見た岩本は、目を細めながら呟いた。
💛 「……やっぱ、翔太の笑顔が一番好きだ わ」
💙 「……なにそれ、急に」
💛 「本当のこと」
そう言って、岩本は渡辺の頭をくしゃりと撫でた。
渡辺の頬がほんのり赤く染まる。いつの間にか、心の重さも少しだけ軽くなっていた
ーー。