「アカネちゃ〜ん!」
「姫ちゃん!」
「ごめん、待った?」
「全然!待ってないよ」
宿でリュウトさんに連絡するとまだまだ時間がかかると言う事、私は姫ちゃんの事を話すと「ちょうど良かった、俺達が到着するまで観光を楽しむといい」と言ってくれたので。
観光しながら妹ちゃんの情報収集をしようと決めました。
…………それとは別に姫ちゃんに会ってから行ってみたい所も出来ましたからね。
「じゃぁ行こっか!」
「はい、行きましょう」
「あ、敬語」
「あ、ホントですね、フフフッ」
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本当に楽しくてすぐに時間が経ち、気がつけば夕暮れ時、私達はまた同じ喫茶店に来ていた。
「楽しかったね!」
「そうですね♪」
私の記憶ではアバレー王国はこんなに楽しい所では無かったはずだ。
グリード王国。
ミクラル王国。
上記2つの国とは全く違う文化。
食べ物から住む家まで別世界だった。
私、本当にここの住人だったのかな?
「リュウトさんにも__」
「むぅ!」
「あ!ごめんなさい!」
「もぅ!………本当に好きなんだね」
「はい、大好きです」
「でも……」
「そのリュウトさんは“妹ちゃん”にゾッコンなんだよね?」
「はい……」
「行く先々でその子の事聞いてたけど、本当にその子とリュウトさんを会わせていいの?」
「?」
「だって、アカネちゃんはリュウトさんに恋してるんだよね?会わせちゃったら……」
姫ちゃんの言いたいことは理解できる。
私だってその事を考えなかったわけではない……でも__
「言ってる事は分かります、だけど私は妹ちゃんと正々堂々恋の勝負をしてリュウトさんを勝ち取りたいんです」
「そっか……」
それ以上は姫ちゃんも聞かなかった。
ちなみに妹ちゃんには見た目では100%……いや、1000%勝ち目がないので他の事でリュウトさんに振り向いてもらうつもりだ。
「私も会ってみたいな、その妹ちゃんに」
「もちろん!妹ちゃんも入れていつか3人で遊びま……遊ぼう!」
そう言えばまたいつの間にか敬語になってた。
「うん!」
「それと……姫ちゃんにお願いして、行きたいところがあるんだけど……」
「ん?何々?言ってみて?」
「私が昔住んでいた場所に連れて行って」
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ボロボロで風通しの良くなってる魔物舎を通り過ぎてポツンとある一軒家。
__私は奴隷になる前に住んでいた場所に来ていた。
「今は誰もいないんですね……」
「うん……あの後、すぐにこの家の持ち主はどこかへ消えたみたい」
「……」
もしかしたら……もしかしたらまだあの人達が住んでいて話せるのかと思っていたが、そんなことはありませんでしたね……
「懐かしいよね、一緒に魔物と遊んだりしたっけ」
「そうですね、今思うと食用の魔物に名前つけたりしてましたね」
「複雑だよねぇ」
正直良い記憶より、悪い記憶の方が多い。
そう考えると、本人達を見たら昔の悪い記憶がフィードバックして殺していたのかもしれないからこの結果は良かったのかな?
「……」
「……」
「ありがとう、姫ちゃん……ここに来て私はまた一つ区切りがつきました」
「いえいえ、こんなことで良かったらいつでも力になるよ」
「本当にありがとう……」
「……」
「……」
「さて!じゃぁ暗い雰囲気は終わり終わり!最後にここの近くの有名に行こうか!」
「そうだね!どこですかそこは?」
「“カジノヒツージ”だよ!」
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