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36話 1900スポット ウイング小学校 効果石と関数石
教室は広い。
机が並び、
人の気配が均等にある。
リカは、
少し厚みのある上着。
袖は手首で止めている。
髪は肩に触れるくらいで、
前に流れている。
前の席には、
髪を後ろでまとめた子。
手帳を胸に抱えて座っている。
横には、
派手めな服の子。
腰元で、
電子マネーとキーホルダーが
小さく揺れている。
先生が、
机の前に箱を置く。
音はしない。
中から、
石が出される。
丸いもの。
角ばったもの。
少しだけ形が違う。
「機械の中にはね」
先生の声は、
大きくない。
「効果石と、
関数石がある」
石は、
机の上を転がらない。
止まったまま。
「効果石は、
一つの働きだけを持つ」
先生が、
一つを持ち上げる。
「関数石は、
中に書き込まれている。
たくさんの働きを持てる」
見た目は、
あまり変わらない。
「まとめて、
デジタル石や
石機械など呼ばれます。」
箱が、
机の端へ押される。
「今日は、 触ってみましょう。」
教室が、
少しだけ動く。
石が、
順番に回される。
リカの前に、
来る。
手に取る。
冷たい。
でも、
嫌じゃない。
重さが、
思ったよりもある。
特別な石。
そう言われなくても、
そんな感じがした。
派手めな服の子が、
先に触っていたらしい。
「これがさ」
小声。
「中で何してるか、
分かんないんだよね」
リカは、
うなずく。
分からない。
でも、
動く。
それだけで、
十分な気がした。
石は、
考えない。
判断しない。
反応するだけ。
石が、
次の人へ渡る。
リカの手から、
離れる。
腰元で、
電子マネーが触れ合う。
同じ石。
でも、
役目が違う。
それを、
今日は知った。
チャイムが鳴る。
誰も、
大きな反応はしない。
それでも、
教室の空気は、
少しだけ変わっていた。
特別な石は、
机の上から消え、
世界の中に戻っていった。
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