(雨宮side)
入社当初、たまたま目の前を歩いていた女に目がいった。その女は両手に資料を抱えフラフラとしている。あいつは確か、新人研修で何度か見かけたことがあるけど……名前は覚えてないな。
「わっ!!」
(やっぱり転んだ)
予想はしていたが、受け身も取らず転び、俯いたまま動かないのを見て心配になって声を掛けた。
「大丈夫?」
「あ、はい!……すみません」
激しく顔面を打っていたし鼻血でも出ているんじゃないかと思ったが、顔を上げた女を見て、そうではないことにホッとする。女はあまり化粧っ気のない幼い顔をしていて、俺が声を掛けたことに驚いたらしく、目をそらし急いで資料を拾いはじめた。
それを手伝い、最後の一枚を拾い手渡す。
「それじゃ」
女が立ち上がったのを確認すると、その場から離れる。だが、
「あの、」
「……はい」
「ありがとうございました」
「!」
俺と目も**************************
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