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「……え?」
なんだこれは。お母さんだと?いやいやいや、嘘だろ。俺に隠し子がいるとか、そんなわけ――いや、ちょっと待て。
確かに、俺はたまに記憶を飛ばすことがある。そんでもって、コールドスリープで何十年も寝てた経験だってある。だが!
いまだに俺の処女は健全そのものなんだぞ!!
「おかぁさん……?」
じいさんの後ろでおびえてたユキちゃんが、その言葉に反応してもう一度俺をじっと見つめてきた。その視線の先にあるのは、困惑顔の俺。
――ん?なんだその顔。泣きそうじゃないか?
「あ、ちょっと待っ――」
「おかぁさん!おかぁさん!!」
「わっ!?」
叫ぶや否や、ユキちゃんが泣きながら俺に向かって飛び込んできた。
小さいとはいえ、助走をつけた全力のダイブはかなりの衝撃だ。が、俺には頼れる味方がいた――そう、俺の無駄にでかい胸だ。
プニッ。
そのおかげで、衝撃が和らいで助かったものの、事態はさらにカオスに。
「おかぁさん……おかぁさん……」
ユキちゃんは涙と鼻水でぐちゃぐちゃになりながら、俺の服をぎゅっと掴み、全力で抱きついてきた。その小さな手から伝わる力は、明らかに「もうどこにも行かないで」と言っている。
――いやいやいや、俺、本当にお母さんじゃないからな!?
混乱する俺に目で訴えかけると、じいさんは黙って深く頷いた。
――なるほど……いや、ならねえよ!?何が「そういうこと」だよ!?
しかし、ユキちゃんの泣き顔を見ると、それ以上何も言えなかった。ため息をついて、俺は彼女の頭を優しく撫でた。
「ただいま、ユキちゃん。」
「うん!」
その瞬間、ユキちゃんの顔がぱっと輝き、涙を流しながら笑顔になった。そのまま飛び跳ねながら喜ぶ彼女を見て、なんだかよく分からないけど、とりあえず「俺、頑張るしかないのか……」と腹をくくるしかなかった。
「おかぁさん!おかぁさん!」
「フフッ。でもね、今日は寝ないと、明日一緒に遊べる時間が減っちゃうよ?」
「やーだ!離れたくないぃ~!」
「後で一緒に寝てあげるから、ね?」
「ほんとー?」
「うん♪」
「わかったー!すぐきてね!おかぁさん!」
元気よく部屋のふすまに向かったユキちゃんは、勢い余って**バンッ!**と閉めた。怒っているわけではなく、ただ嬉しすぎて力が入りすぎただけだろう。
そして再び、じいさんと俺の二人きりになる。
「もう分かっただろう?」
「……はい。」
「やってもらうのは、家事、料理、そしてそれを貫き通すことじゃ。分かったな?」
「はい。」
――つまり、俺は今日からユキちゃんのお母さん役を全力で演じろと。そしてそれを誰にもバレないようにするのが、俺に課せられた奴隷としての仕事だというわけか。
「他に聞くことはあるか?」
ならば、まずやるべきことは一つだ。俺は意を決して口を開いた。
「一つ、頼みたいことがあります。」
「なんじゃ?」
「ユキちゃんの1日を教えてください。」
このアオイ先生、やるときはやるんだぞ!
お母さん業だって、全力でやってやる!!
頑張るぞー!!