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「ありがとう、お姉ちゃん!」
ゆうすけくんは素直に感謝してくれたが、りょうこちゃんは不思議そうな顔をして、
「ねぇ、何でお姉さんははだかなの?」
と聞いてきた。うっ、そういえば私、全裸だった……。
「えっと、それは……」
なんて答えたらいいかわからず困っていると、ゆうすけくんが言った。
「お姉ちゃん、すごくきれいだよ」
「ほんと? うれしいなぁ」
私は笑顔を浮かべる。ゆうすけくんは照れたように笑っていた。さっきまで怖くて泣いていたはずのりょうこちゃんも、いつの間にか元気になっていた。
三人で手を繋いで歩いていると、突然ゆうすけくんが立ち止まった。
「どうしたの?」
「なんか聞こえる」
耳を澄ますと、かすかに何かの音が聞こえてきた。ゆうすけくんはそちらに向かって走り出す。しばらく走ると、廊下の突き当たりの壁が破れて、そこには大きな穴が出来ていた。
「うわぁー」
「ゆうすけくん、危ないよっ」
私はあわてて後を追う。しかしゆうすけくんはどんどん進んでいってしまう。私は急いで追いかける。穴から外をのぞくと、そこは小さな崖になっていて、その下の方に町が広がっていた。
「すごい、ここから見えるんだ」
私が感心していると、隣りにいたりょうこちゃんが言った。
「ママとパパが見えるかな?」
私はハッとして振り返ると、不安げに私の方を見上げているりょうこちゃんがいた。そうだよね。お母さんやお父さんに会いたいよね。
「きっと会えるよ。さあ、そろそろいこうか」
ここからは出られそうにない。別の道を探さなければ。と、りょうこちゃんの言葉で両親のことを思い出したのか、ゆうすけくんが私に抱きついてきた。(続く)
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