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#ヤクザ
夏目萌*優しい彼~コミカライズ
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#イケメン
蒼乃 月
34
管野アリオ
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「美花っ……」
堪らず、圭は愛する女の名を小さく零す。
仕事に集中しているだろう美花には、彼の声が届くはずもない。
書き込みを終えた美花は、一礼してトラックを見送ると、側に止めてあった立ち乗りのフォークリフトに足を向け、荷物を移動させ始めた。
やがて、終業時刻を知らせるチャイムが鳴る。
彼女は、フォークリフトのレバーを器用に操作しながら、トラックヤードの荷物を運び続けていた。
初めて見る、美花の仕事をしている姿。
ヘルメットから覗く、一つに束ねた髪は、まるでサラブレッドの尾のように、サラサラと揺れている。
圭は、胸の奥が熱くなっていくのを感じつつも、フォークリフトを乗りこなす美花を、じっと見やった。
側から見れば、門の片隅で彼女の仕事を見ている圭は、怪しい男に映るかもしれない。
それでも、黙々と作業を熟す美花から、目が離せなかった。
(のほほんとした美花だが…………仕事中の彼女は……男の俺から見ても、カッコ良さすら感じてしまう……)
終業時刻が過ぎても、まだ仕事をしている彼女。
(もしかしたら、今日は残業なのかもしれない。出直そう……)
彼は、正門から離れると、車に乗り込み、宿泊先のホテルに戻った。
***
翌日。
圭は、日中に浜松市内を散策した後、終業時刻を見計らい、再び美花の職場を訪れた。
正門の近くに車を止め、歩いていくと、トラックヤードは閑散としていて誰もいない。
チャイムが鳴り響き、圭は腕時計をチラリと覗いた。
(今日こそ…………美花に会う……!)
彼は、敷地内の様子を見た後、門の陰に立ち、美花が出てくるのを待った。
正門から、仕事を終えた従業員が続々と出てくるが、美花と思しき人が出てくる様子はない。
息を潜めるように、圭は美花が現れるのを待ち続けた。
ソワソワしながら時計を見ると、もうすぐ十七時二十分になろうとしている。
美花が現れる兆候は、感じられない。
(まさか……今日は休みか?)
彼女にメッセージアプリで連絡を入れる事も考えたが、圭の中では、美花を驚かせたい気持ちもあり、最終手段にしようと思っている。
彼は辛抱強く、正門を注視した。
(今日も…………空振りのようだな……)
圭が美花に会うのを諦め、車に戻ろうとした時、人影が正門をすり抜けていく気配を感じた。
コメント
1件
うわ、この回すごく良かったです……! 普段ふわふわしてる美花さんが、仕事中はフォークリフトを器用に操ってて、圭くんが「カッコ良さすら感じる」って言うのも納得でした。ヘルメットから覗く髪の揺れ方の描写がめちゃくちゃ印象に残ってて、胸が熱くなる気持ちがすごく伝わってきました。あと、終業後も待ち続ける圭くんのソワソワした感じ、すごくリアルでドキドキしながら読みました。次回、ついに会えるのかな……続きがすごく気になります!