テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ギルベルト王子はそう言って雑多に接客台の上に剣を置く。
「アルヴィアン様、どう見ますか?」
「もう少し鞘が長い方が良さそうだ。全体の長さは少し短くあるべき?そして軽すぎるようにも見える。」
「ええ、私も同じ意見です。さすがアルヴィアン様です。」
「君がアルヴィアンのために剣を作るのに何十回と立ち会ったからな。それで覚えている。そうなんです、ギルベルト王子殿下。アルヴィアンの騎士や傭兵が持つ剣は各個人に最適化されているんです。もちろんかなりの費用と時間は掛かりますが騎士や傭兵からの信頼は上々ですよ。つまり『最高の人間は最高の剣を持つべきだ』と言うことです。ギルベルト王子殿下、俺も見学しても良いでしょうか?」
「勝手にしろ。」
彼はあまり関心がなさそうにそう言い放つ。
「その言葉を聞けてうれしいです。」
俺はそう言って微笑み、アダムの方を見遣る。
「アダム、ちゃんと正確にやってくれよ。相手は第2王子殿下なんだ。」
「わかっていますよ。さてとギルベルト王子殿下、利き手を前に出してください。」
彼はそう言って右腕を前に出す。
「測定をさせていただきます、ギルベルト王子殿下。」
アダムはそう言って恭しく礼をして職人としての仕事に戻る。俺はアダムの仕事ぶりを見ることにしよう。