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彼女のしていた腕時計が電池切れで止まった時、それが元彼からのプレゼントだと知り、彼は、ちょっと不機嫌になっていた。
(ひょっとしたら、仕返しで意地悪ばかり言っているのかな?)
奈美は不安気になりながらも考える。
けれど、彼は穏やかな面差しを奈美に向けたまま。
「いきなりは難しいかもしれないけど、少しずつ……だったら……」
「わかった。奈美のペースで、少しずつ砕けた話し方になってくれたらいいよ」
奈美は豪に髪を触れられながら、頭を撫でられる。
この瞬間が凄く嬉しい。
「さて、残りの買い物は何だ?」
「…………私の下着」
「おっ! 俺も一緒に行って選ぶかな? エッチなやつ」
彼が弾けたような笑顔を見せる。
「もうっ……下着は自分で選ぶから……!」
狼狽えたような奈美を見て、ククっと小さく笑う彼。
二人は立ち上がると、彼女が会計を済ませてカフェを後にし、ランジェリーショップへ向かった。
俺も一緒に選びたい、という豪を何とか言いくるめて、奈美は一人でお店に向かい、下着を選んだ。
サテンのようなツルンとした生地に、レースがふんだんに使われたデザインに一目惚れした、ブラとショーツとキャミソールのセット。
せっかくなので、ミントグリーンと薄いパープルの色違いで購入。
『エッチな下着』という、豪の洗脳のような言葉を言われ続けたせいか、ショーツは両サイドがリボンで結ぶタイプのものにしてみた。
こんなショーツを買うのは初めてだから、会計する時、めちゃめちゃ恥ずかしくて、顔から湯気が出ていたかもしれない。
ブランドの下着だけど、アウトレットで安く購入でき、満足したところで、外で待たせている豪の元へ向かった。