「まだ、いけるかな…… 」
二本だった指を、カイルが更に増やそうとして少しだけ指先が入った時、痛みのせいでシーツを掴む手に力が入った。
「ひぅっ!ぃたぁぁっ!」
初めてが故の痛みが、残念な事に快楽よりも勝ってしまった。
「…… これ、物理的に無理だね。続けたらある程度はほぐせるけど、奥行きも全然足りないし」
淡々と分析するように言われ、頭の中が少し冷静になる。
「…… む、無理?」
(あれ?もしかしてもうこれ以上先には進めないって事?…… ココで、終わり?)
そう思うと、下腹部の奥が得られぬ快楽を欲すように、ギュッとなった。ホッとしたような、残念な様な複雑な心境になる。
「んー…… 。今からココを僕仕様にするけど、恨まないでね?大丈夫、人体の構造はわかっているから」
場違いな笑みを浮かべ、カイルは左手を私の下腹部に当て、魔法を発動し始めた。お腹の中が熱く、少しだけ違和感を感じるが幸い痛くは無い。
「——な、何?今の…… 」
「ん?あぁ、ちょっと作り変えただけだから気にしないで。これで全部挿入るから、気持ち良くしてあげられるよ。もう他のは挿れられないけど、そんな事は絶対にさせないから困らないだろ?」
天使みたいな顔でスゴイ事言われた。 貞操帯機能付きみたいな事、なのか⁈
「コレで、僕の指もちゃんと入るから、もっとほぐしてあげるね。ほら…… 」
言葉と同時に指を更に増やされた。先程の様な痛みは無いが、散った筈の快楽が全身を一気に駆け抜ける。
「ぅ…… くっ…… 」
「ね?」
(『ね?』って、可愛く言われてもっ!)
グチュグチュと水音をたてながらカイルの長い指が膣内を撫で上げる。広がる事で鈍い痛みを少しだけ感じなくもないが、それもすぐに快楽の中へ身を潜めた。
「ふふふっ」と笑いながら、カイルが私の片脚を持ち上げて陰部に顔を近づけてきた。漂う光がフワリと彼の目元に近づき、容赦なく恥部を照らす。恥ずかしさに身をよじっても、当然逃げられる訳もなく。難無く彼は私の肉芽を舌で転がし始めた。膣内との刺激が強く、またもあっさりと陥落してしまいそうだ。
(——私ばかり、なんでこんな)
目の前が白く霞み、最果てがもう目前といった時、くぷんっと小さな音をたてながらカイルが私の膣内から指を引き抜いた。蜜で濡れて蕩ける指で軽く陰裂と肉芽を撫で、そしてその指を私に見せ付けるかの如く舐め上げる。美味しそうに、とてもウットリとした顔で。
「ココまで解せば、もう大丈夫かな…… 」
独り言の様に呟き、カイルが私の両脚を広げさせ、間へと割って入って来た。呼吸を荒げ、興奮が頂点に達している感のあるカイルが腰を覆っていたタオルを取り、全裸になる。 それにより目前に曝される、彼の凶器。『物理的に無理』の理由が即分かった。
(確かに無理です!私相手には挿れていいモノではないわっ!)
互いの体格差を…… コレを見ただけで、改めて痛感した。
「そんなに見つめられると、興奮する…… 」
自分がソレをまじまじと凝視してしまっていた事に、そう言われるまで気が付かなかった。かぁっと顔が赤くなり、私は慌てて顔を逸らす。
そんな私の手を掴み、彼が自分の方に引っ張る。そっと当たる指先に、彼の普段の体温よりも熱く、ドクドクと脈打つモノが触れた。
「はぁ…… やっと、やっと触れてもらえた…… 」
カイルが感嘆の息をついた。そういえば猫だった時にも『触れてくれ』って言っていた事を思い出した。
(長年の夢が叶った瞬間…… なのかな?)
私の手に自らの手を重ね、自分の恥部を握らせる。片手では握りきれぬソレはとても硬く、でもちゃんと人の一部だと感じられる柔さもある、なんとも不思議な感触だ。切先の方からは透明な液体が溢れ出していて、カイルはそれを私の指に絡めさせた。その液体で濡れた手で、怒張している剛直を擦る。私の手を使いながら彼が自慰行為を始めた様に見え、段々と私まで興奮してしまった。
「はぁはぁ…… 」
瞼を閉じ、熱い息を小刻みに吐き出すカイルの姿はとても淫猥で心臓が煩く騒ぐ。ソレが私も欲しいとでも言うかの如く、彼を見ているだけで膣奥がヒクつく。蜜も溢れて溢れ、お尻にまで伝っていった。
しばらく彼はその行為を楽しんでいたが、不意にカイルがその手をそっと外した。そして、今度は私の両膝裏を持って、腰を近づけてくる。
ビクッと体が震えた。『本当に…… 出来るんだろうか?』——と、正直怖くなる。
「大丈夫だよ。ゆっくりするから」
安心させるかの様に微笑み、カイルが頰を撫でてくれた。大きな掌の温度が心地よく、少しだけ…… 気持ちが軽くなった。
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